タマゴ高騰続く タマゴかけご飯が“高級品”に? アメリカでも深刻
タマゴの高騰が続いています。コメの高騰も重なって、タマゴかけご飯を提供しているホテルでは大きな影響が出ていました。また、タマゴの高騰は、アメリカでも今、深刻な事態となっていました。
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いい1日の始まりは、いい朝食から。ホテルの朝食コーナーに欠かせない食材、タマゴ。ホテルが頭を悩ませていたのは、止まらない価格の高騰です。
ベッセルイン高田馬場駅前 吉田淳子支配人
「(去年の4月と比べ)1個あたり9.5円値上がり」
1月から5月のタマゴの価格。例年は1キロあたり200円前後で推移していましたが、“エッグショック”と呼ばれた2023年3月は、343円。今月の価格は、それに迫る326円まで上昇しているのです。
値上がりする“貴重なタマゴ”。先ほどのホテルでは宿泊客の8割が外国人とあって、生タマゴをゆでタマゴと間違えて割ってしまうことも…。“食品ロス”を防ぐため、ポップが置かれていました。
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都内のスーパー。タマゴを取る手も、やや進まない様子で…。
客
「高いですよね、まだ。あと20~30円安くなれば助かります」
客
「お菓子作りをやめたかも」
店では、今までになかったこんな現象も。
スーパーあまいけ下連雀店 食品担当 永山信行さん
「299円のブランドタマゴが、普通タマゴのL玉と同じ値段になってしまいましたから」
一般的なタマゴと、市場の影響を受けにくい“ブランドタマゴ”の価格が“逆転”しそうになっていました。
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そしてタマゴの高騰は、海を越えたアメリカでも…。4日、“あの人”がほえました。
アメリカ トランプ大統領
「タマゴの値段は制御不能だ」
一体、どれほどなのか?
NNNロサンゼルス 山田元気記者
「12個入りのタマゴが7ドル99セント、1個あたり100円ほどになります」
ロサンゼルスのスーパーでは1パック12個入りが約1200円。鳥インフルエンザの影響もあり“制御不能な異常価格”に悩まされているのです。
タマゴを大量に使う飲食店にも“打撃”が。スクランブルエッグや肉をトルティーヤで包んだ「ブリトー」。お値段1つ、2000円以上。
客
「これが最高にうまいんだ。アメージング!!」
この店ではタマゴの仕入れ値が、わずか2か月で3倍に。そのためタマゴ1個あたり50セント、約75円の追加料金を取る苦渋の決断をしたといいます。
店のオーナー
「朝食のブリトーは(タマゴ2個で)1ドル(約150円)の値上げ。一時的なものになると望んでいます」
となると“頼みの綱”は…。
客
「トランプ大統領が価格を下げるため、なんとかしてくれると思います」
やはりトランプ大統領。
価格高騰に対抗するため、韓国とトルコからタマゴの輸入を開始。さらに他の複数の国とも交渉中で、短期的に数億個のタマゴを輸入する予定としています。(アメリカ農務長官による)
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“タマゴの奪い合い”の様相をみせるなか、日本が輸入に頼る可能性はあるのでしょうか? 専門家は…。
タマゴの流通に詳しい 元東京農業大学教授 信岡誠治さん
「買い付けに走っていますけど、輸入する相手がいないです。関税かけて輸入なんて、とんでもない値段になる」
国産タマゴが主流の日本。海外では買おうとしても買えない状況のうえ、そもそも割れやすいため輸入には向かず“自給自足”が原則だといいます。
では今後の価格は?
タマゴの流通に詳しい 元東京農業大学教授 信岡誠治さん
「今年の後半以降、うまくいけば値段は下がる可能性がある」
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買いだめは厳禁。供給量の回復が見込まれる夏場以降、価格が下がる見通しだということです。