三菱自動車「パジェロ」生産工場停止し閉鎖
三菱自動車は、業績の悪化を受けてRVブームの先駆けになった「パジェロ」の生産工場を来年6月末までに停止して閉鎖することを決定しました。
三菱自動車は2022年度までの中期経営計画を発表し、輸出向けのパジェロを生産する子会社の岐阜県にある工場を来年の6月末までに停止しその後、工場を閉鎖すると決めました。
「パジェロ」は去年8月に国内向けの販売が終了し、現在は、主にアジア向けの生産を続けてきましたが販売が振るわず、今回の岐阜工場の閉鎖により、「パジェロ」の生産から完全に撤退することになりました。
また、中期経営計画では収益の見込みが低いとして、ヨーロッパ向けの新車種の投入を凍結し、成長が見込めるASEAN地域に経営資源を集中することで、来年度末までに人件費や開発費などのコストを2割以上削減していく方針です。
ヨーロッパでは環境規制が厳しくなっていて、今回、新車種の投入の凍結を決めたことで次第に環境基準を満たした車種が減っていくことから、今後、数年掛けてヨーロッパの市場から事実上の撤退となる見通しです。
あわせて発表された4月から6月の3か月間の決算は、新型コロナウイルスの影響による販売の落ち込みなどで、売上高が前の年の同じ期に比べて、57%少ない2295億円になりました。
また、今年度の業績予想について、販売台数の見通しは前の年に比べて25%減るとみていて、最終損益は中期経営計画の構造改革費用などの特別損失2200億円含めて3600億円の最終赤字になる見通しです。
三菱自動車の加藤隆雄CEOは業績の悪化について「リーマンショックの時よりも大きな危機だと認識している」と述べ、構造改革に取り組む必要性を強調しました。
※画像はCTV