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ありそうでなかった ファンがタレントに個別に動画を依頼

2022年4月20日 22:16
ありそうでなかった ファンがタレントに個別に動画を依頼

ファンがタレントから個別のメッセージ動画を受け取れるサービス「Cameo(キャメオ)」。いったいどんなサービスなのか?また日本であまり見ない値段設定の仕方。

■「Cameo」どんなサービス?

アメリカのベンチャー企業が手がける「Cameo(キャメオ)」という動画を提供するサービスが20日から日本でも始まった。

このサービスは登録されているタレントなど著名人に依頼者が希望した内容のオリジナルのメッセージ動画を撮影してもらい、受け取れるというもの。

たとえば友人の結婚式で花嫁に好きなタレントからの祝福コメントの動画をプレゼントしたり、年老いた父親に向けて動画で好きなスポーツ選手に日頃の感謝のメッセージを代読してもらったりなどが可能だ。もちろん自分自身にメッセージを送ってもらうこともできる。

■著名人が自分で値決め

あの人はいくら?これまでにありそうでなかったサービスだが、気になるのが動画の依頼にお金がいくらかかるのかということ。

実はここがこのサービスの最大の特徴でもある。著名人側が自分で値段を決めて、随時変更もできるというのだ。

日本でのサービスを開始した4月20日時点での値段を見てみるとモデルで俳優のパンツェッタ・ジローラモさんはひとつの動画で税込み9万6150円。元バレーボール選手の大林素子さんは税込み3万8460円。元プロ野球選手で監督も務めたアレックス・ラミレスさんは税込み1万9230円。人によってまちまちである。

日本より先行してサービスを開始しているアメリカでは日本円で180万円程度に設定している著名人もいるという。

著名人は、自分の動画の需要や、依頼者の反応などをうかがいながら値段設定を随時見直すため利用者にとっての適正な価格が見えてくる。また簡単に副業としての収入を得ることができる。

■知名度活かしたビジネス“ステマ”

一方、現在著名人が正式なオファーを受ける以外にその知名度を活かして収入を得る方法として、SNSなどでのステルスマーケティング、いわゆる“ステマ”がある。

“ステマ”は広告であることを隠して見た人に口コミのように商品の情報を発信する手法で、消費者を欺いているという指摘もある。

イメージも悪いためステマをしていることを著名人があえて公表することは少ない。

■「Cameo」は日本で受け入れられるのか?

著名人がネットで個人とつながり副収入を得るには一定のハードルがあるが、この「Cameo(キャメオ)」なら堂々と簡単に知名度を活かしての収益をあげることが可能となる。

ただ一方で著名人は自身の知名度や商品としての価値を金額で表し誰でも見られるネット上に明示することになるため、抵抗感を持つ人もいるだろう。

タレントが自ら値決めする価値観が利用者からも受け入れられるのか。今後、サービスの広がりに注目だ。