都心の一等地・新宿駅前にホームセンター大手「カインズ」 狙いは?
ホームセンター大手「カインズ」の新店舗が、29日に東京・新宿にオープンします。郊外の広大な売り場が特徴のホームセンターの都心への出店。どうして新宿に出店を決めたのでしょうか。
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都心の一等地に、これまでなかったある店舗が初めてオープンします。
新宿駅の目の前のビルに29日にオープンするのは少し変わった雑貨店のような店です。収納や寝具など4つのテーマごとに商品が並んでいて、SNSで検索して商品にたどりついてほしいという発想で、店内には至る所に“ハッシュタグ”が掲げられています。ホームセンター大手「カインズ」の新店舗です。
ホームセンターといえば郊外の広大な売り場が特徴で、豊富な品ぞろえで日用品がそろう他、木材やセメントなどの資材、そして園芸用品なども手に入ります。ところが、コンパクトな新宿の店舗には、大型の商品はありません。都心には初めての出店、どうして新宿に出店を決めたのでしょうか。
カインズハンズ新宿店 曽根佑司店長
「カインズとしては、初の都心店舗となります。新宿エリアにお住まいのお客さまをはじめ、お買い物や観光、会社帰りのお客さまにも気軽にご利用いただきたい」
これまでホームセンターを訪れたことがない人に、新たに来てもらうためだというのです。そこでこだわったのが、店舗のレイアウトです。
例えば、「まな板シート」は、普通はキッチン用品コーナーに置かれるといいますが――
カインズハンズ新宿店 曽根佑司店長
「ここ全体でピカピカのコーナーになるので、汚れたところをきれいにするための品ぞろえで考えています」
客の目的ごとに並べることで、欲しい商品を見つけやすくしているということです。
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郊外から都心への流れは他にもありました。ディスカウントスーパーの「オーケー」は今年秋、東京・銀座に初めて出店を予定しています。百貨店や高級ブランドがひしめく中、都心の一等地に安さを売りにするスーパーを出店する理由は、観光や仕事で訪れた人などを取り込むためだということです。
郊外から都心に。企業の生き残りをかけ、新たな客層を開拓する取り組みが注目されています。