政府の新型コロナ対応 有識者が検証
新型コロナ対策をめぐる政府の対応について、菅総理や安倍元総理ら83人に聞き取りを行った有識者らが会見しました。感染拡大を阻止できなかった原因などを分析しています。
有識者が行った安倍前総理、菅総理、政府関係者ら83人への聞き取り調査の結果、日本での感染拡大の一因とされるヨーロッパからの人の流入について、専門家会議は3月に政府に水際対策を求めていたとしています。
しかし、政府はその前の「一斉休校」に対する世論の反発で消耗し、十分な指導力を発揮できなかったとしました。ある官邸スタッフは聞き取りに「今振り返るとあのとき欧州旅行中止措置をとっておくべきだったと思う。あれが一番悔やまれるところだ」と述べています。
また西村経済再生担当大臣は、小池都知事がロックダウンについて言及したことによって「結果としては緊急事態宣言が遅れた部分があった」と述べました。
さらに、いわゆる「アベノマスク」について、官邸スタッフは「総理室の一部が突っ走った。あれは失敗」と述べています。
安倍前総理は、コロナ対応を振り返り、「知見がない中で、最善を尽くしたつもり」とする一方、官邸スタッフは「泥縄だったが結果オーライ」とその混乱ぶりを表現したとしています。
調査委員会は、「学ぶことを学ばなくてはいけない」と締めくくり、報告書を菅総理に提出しました。