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ANA 過去最大5100億円赤字の見通し

2020年10月27日 17:05
ANA 過去最大5100億円赤字の見通し

新型コロナの影響で経営が悪化しているANAホールディングスが、今年度、過去最大の5100億円の赤字となる見通しを発表しました。

ANAは今後も感染症による影響が続いても、耐え抜いていくことを前提とした抜本的な事業改革案を発表しました。

ANAホールディングス・片野坂真哉社長「単なる止血策やコスト削減にとどまらず、グループ全体のビジネスモデルを劇的に変革して参ります」

ANAホールディングスは決算発表で今年度の最終損益が過去最大の5100億円の赤字になる見通しだと発表しました。

ANAは2010年に日本航空が経営破綻した後、国際線の拡大を進めてきました。しかしコロナの影響で国際線の利用者がおよそ9割減るなど拡大路線が裏目に出た形です。

Q:ANAは今後どうピンチを乗り切るのでしょうか?

ANAは「雇用は守る」として外部の企業に社員を出向させる異例の案を発表しました。まず12月までに成城石井やノジマなどおよそ10社に100人を出向、そのあと来春までに異業種などにおよそ400人まで拡大します。

このほか保有する大型機の処分などを含め、今年度と来年度合わせて4000億円のコスト削減効果を目指すとしています。

一方、業績回復のため子会社のLCCピーチに加え、2022年度をめどに東南アジアやオーストラリアを中心とした路線を低コストで運航する第三のブランドを立ち上げると発表しました。

ANAは来年度には黒字化するとしていますが、こうした状況について融資をしている銀行の幹部の1人は「このまま何年も需要が戻らなければもっと大胆なコスト削減が必要になってくる」と話しています。先の見えない状況をどう乗り切るのか手腕が問われます。