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広がる返礼品 運任せ「ガチャ」に旅行先・帰省先で使える「商品券」 自治体がコラボした「おせち」も登場

2022年11月23日 21:40
広がる返礼品 運任せ「ガチャ」に旅行先・帰省先で使える「商品券」 自治体がコラボした「おせち」も登場

今年のふるさと納税の締め切りまであと1か月ほどですが、年末に向け、返礼品を充実させる自治体も増えています。運任せの返礼品や、寄付をした自治体にある店舗で使える商品券など、新たな取り組みが広がっています。

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運試しのカプセルトイ。何が出てくるのでしょうか。記者が試しに回させてもらいました。

記者
「3万円のコースで、黒毛和牛のセットが当選しました」

出てきたのは「A5ランクの黒毛和牛」の当選通知で、そこには「返礼品」という文字が書かれていました。

大阪・松原市は10月、全国で初めてだという「ふるさと納税ガチャ」を始めたのです。市外に住む人が対象で、寄付額は1万円と3万円です。返礼品は「市内の特産品」、「市のマスコットキャラクターを呼べる権利」も用意しているということです。

松原市観光・シティプロモーション課 手束元信課長
「ゲーム感覚というか、ワクワク感を味わっていただきたい。それでふるさと納税をしていただければということで設置しました」

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2022年も残すところ、あと1か月ほどです。ふるさと納税は、年末の締め切りを前に駆け込みで寄付をする人が増えます。

40代
「いくらは子供が好きなので、私も好きなので頼んでます。今年も頼もうかなみたいな」

30代
「年末になってきたので、サイト見ながらどういうのがいいのかなって選んでいます」

総務省によると、令和3年度の「ふるさと納税」の総額は約8302億円で、前の年度より2割以上増え、過去最高を更新しました。そして、今年は“ある傾向”が見られます。

「私は帰省します。主人の実家の福岡です」

「家族みんなで温泉旅行に行きます」

行動制限がない年末年始に、旅行先や帰省先などで利用できる返礼品が登場しました。

さとふる・広報担当 道岡志保さん
「例えば、旅先で、寄付先で、寄付・利用ができるっていうのが寄付者さんにとってポイント」

29日からスタートする「PayPay商品券」は、寄付額の3割分を自治体が指定した店舗や施設で利用できます。商品券は寄付をした自治体だけで使える仕組みです。23日時点で、北海道小樽市や栃木県日光市など120以上の自治体が導入を決めています。

さとふる・広報担当 道岡志保さん
「規制緩和によって旅行への機運の高まりもありますし、全国旅行支援の利用だったりもあるので、そういったところにも期待しております」

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一方、「年末年始は自宅でゆっくり過ごす」という人に向けた返礼品もありました。2つの自治体がコラボした数量限定の「おせち」です。重箱の中には、北海道南東部にある標茶町の名産ブランド牛の「ユッケ」、厚岸町の名産「牡蠣のグラタン」が入っています。

その“きっかけ”は――

おせちを共同開発したレッドホースコーポレーション 松浦詩織さん
「どちらの町も小さな町なので、1つの自治体さんだけでおせちを作り上げることは難しかったので」

“酪農の町”標茶町と“漁業の町”厚岸町、2つの自治体がそれぞれの強みを生かし、1つのおせちを作り上げたのです。

おせちを共同開発したレッドホースコーポレーション 松浦詩織さん
「厚岸町・標茶町に行きたいんだけれども、なかなか行けないって方や、応援したい方はもちろん、おせち食べたい方にも寄付していただきたい」

自治体があの手この手と工夫する“ふるさと納税の楽しみ方”がますます広がっています。

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