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サントリーHD新浪社長「人材の流動化」を

2021年1月7日 19:21
サントリーHD新浪社長「人材の流動化」を

サントリーHDの新浪剛史社長は日本テレビのインタビューに応じ、日本経済を引き上げるためには、コロナ禍をうまく活用し「人材の流動化」を促すことが重要だと語った。

■コロナ禍で経済をとめないために…

サントリーHDの新浪社長は、新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、経済をとめないために「政府に家計をしっかり守ってほしい」と求めた。具体的には、とりわけ苦労しているのは非正規雇用が多いサービス産業だとし、「ぜひ頑張ってくださいという支援のあり方を政府にお願いしたい」と述べた。また「(サントリーのように)消費ビジネスをやっている会社が飲食業を応援する仕組みを作っていくことが必要」と語った。

■利益拡大のための一手は「イノベーション」

一方、今年利益拡大のために重視するのは「イノベーション」を生み出すことだという。「私たちはメーカーなので、デジタルトランスフォーメーションなどを駆使しながら、お客様がおいしいという商品を出していくしかない。そのためにいろんな形でお客様の行動様式をしっかり見ていくことで、より面白い商品を出していく」と意気込みを語った。

■若い社員の年収を増やす

また、今年の従業員の給料については、基本的には頑張った人が報われる方針だとした一方で、20代から40代の社員の年収は増やしたいとした。その理由について新浪社長は、「私たちの世代と違って消費をエンジョイするということはあまりやってこなかった世代だと思う」「早いうちに給料を多くもらい消費をするという大きな体系を組合の方々とも一緒になって考えていきたい」として、若者の消費を促すことが重要だとした。

■新たな働き方はサントリー流の“ハイブリッド”で

さらにコロナに対応した新たな働き方について、在宅勤務も強化しながらも必要な会議は安全を確保しながらフェイスtoフェイスで直接議論できる“ハイブリッド”の体制を作りたいとした。

「コロナでいろんなことを今まで学んできた。どうやったら安全安心が実現できるか。在宅勤務やネットワーク事情も強化していく。一方で、イノベーティブな商品は間違いなくフェイスtoフェイスの大きな議論から生まれてくると思う」と話した。

■異なるキャリアを持った人の採用を

採用方針についても中途採用を大きく増やす方針だ。「入社人数の3割から場合によっては4割近く中途の異なった経験を持った方々にサントリーに入ってもらいたい」という。さらに育児休暇についても、男性は取得率が低いとして、制度が使われるような体制作りをしていきたいとした。

また、新浪社長は日本経済を引き上げるための一番重要なカギに、「人材の流動化」を挙げた。「リーマンショックではみんながどーんと落ちた。でも今はいい企業と悪い企業で差が出ている。そして将来的にも伸びていく企業が明確に出てきている」と説明し、中小企業やベンチャーも含めて非正規雇用の人が正社員として成長する企業に行くことなどを提案した。

その上で、「政府や民間企業はリカレント教育などで人材育成を進め、コロナ禍をうまく活用して、仕組みを作っていくべきだと思う」と語った。

■ポストコロナ時代を目指して

最後に新浪社長は、延期された東京オリンピック・パラリンピックについて、「ぜひとも開催してほしい」とした上で、「政府、民間、みんなが一致団結してコロナに打ち勝ち、新たな社会を作っていこうということを世界に発するイベントにしていくべき」と期待を込めて語った。

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