年末年始に「牛乳」がピンチ! コロナや冬休みで消費減少 牛乳の廃棄も…
東京・渋谷にあるカフェで、カフェラテなどの牛乳を使った商品が99円の激安価格で提供されていました。背景にあったのは牛乳消費の減少です。北海道の農場では、余った牛乳が廃棄されていました。
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クリスマスツリーをかたどったパフェに、心も体もほっと温まるカフェラテ。22日、渋谷のカフェ「AZLM CONNECTED CAFE」でお客さんが楽しんでいたのは、牛乳を使った商品です。
お客さん
「めっちゃおいしかったです、めっちゃ濃厚で」
お客さん
「牛乳単体ではあまり飲まないんですけど、カフェラテになっているといいです」
使われている牛乳はすべて北海道産で、その値段はなんと、99円の激安価格です。(会員価格 ※要アプリDL キャッシュレス決済のみ)理由は牛乳を多く消費してもらうためです。
実は、この年末年始、牛乳を巡ってある問題が起きていました。
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北海道新得町の農場「友夢牧場」で行われていたのは、搾った牛乳の廃棄です。
友夢牧場 植田昌仁さん
「本来なら、出荷したらお金になるものを抑制に合わせて廃棄せざるを得ないという状況まできて」
牛乳は、新型コロナウイルスの影響などで需要が低下していました。しかし、牛の健康管理のために搾乳は毎日続けなければならず、余った牛乳を毎日1トンから2トン、廃棄せざるを得ないということです。
友夢牧場 植田昌仁さん
「使うもの(えさや資材)が高騰している中、収入源である牛乳が生産抑制で思うだけ搾れない。経営が危機的な状況」
北海道大学大学院・農学研究院の清水池義治准教授によると、年末年始は帰省で家を空ける人が多く、学校給食も休みのため牛乳の消費が減り、もととなる生乳が余りやすい時期だということです。
また、生乳が余った場合は、通常だとバターなどに加工するということですが、今年は牛乳消費の減少で余った生乳の量が多く、工場の稼働能力を超える恐れがあると話していました。
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牛乳の消費が落ち込む中、北海道の乳業メーカー「よつ葉乳業」は渋谷のカフェ「AZLM CONNECTED CAFE」とコラボしました。
AZLM CONNECTED CAFE 店長 阿部恭己さん
「ここで牛乳の消費をいっぱいしていただいて、全国の方に牛乳のよさとか知っていただけたらなと思います」
“激安”で提供することで牛乳の消費量を増やすと同時に、よさを知るきっかけになってほしいということです。
乳業メーカーの担当者は――
よつ葉乳業・総務広報グループ 船越英人部長
「皆さんが少しでも牛乳・乳製品、召し上がっていただくことが酪農家の支援にもなりますので、よろしくお願いしたいと思っております」