「うまい棒」だけじゃなく… “値上げの波”駄菓子にも
値上げの波が、子どもが大好きな「駄菓子」にも押し寄せています。子どもの利用客が減ったというお店もある中で、親子連れを呼び込もうと工夫をこらす店も出てきています。
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子どもも大人も心を躍らせる駄菓子。
大学生(20)
「免許とった帰りで、きょうちょうど卒業したので駄菓子買っちゃおうと思って」
──卒業記念に駄菓子?
大学生(20)
「駄菓子」
高揚感は子どもの頃と変わらないのですが…
「このガムが13円」
大学生(20)
「確かに値上がりしたかもしれない。今実感しました、10円ガムだったのが…」
変わった値段。今月12円から15円に値上げしたうまい棒(税抜き・10月1日出荷分より)以外にも…
お菓子の種屋 石井紀江さん
「ソースせんべいも値上げした、30円が44円に。ヤングドーナツも上がった。これ、今いくらだっけ…」
あまりにも値上げが続いているため…
お菓子の種屋 石井紀江さん
「わからなくなっちゃうからこれ(レジ)にいれている」
──50円!
お菓子の種屋 石井紀江さん
「32円が今、50円になった」
約60年勤務の店員も新しい値段を把握しきれない状況になっていました。
値上げは1781年創業の老舗にも影響が出ていました。
上川口屋13代目 内山雅代さん(84)
「One piece 22,Two pieces 44(1個22円、2個44円)」
コロナ禍を経て、この店では外国人客が急増。
上川口屋13代目 内山雅代さん(84)
「Thank you」
イタリアから来た人
「ありがとうございます」
外国人客が増える一方で、値上げで子どもの足が遠ざかったといいます。
上川口屋13代目 内山雅代さん(84)
「(値上げは)困ります。お子さん相手の商売で10円がもの言う。10円が20円になったら? お小遣いを持って『買えない』『おばちゃん買えない』って」
値上げの波が押し寄せる駄菓子。そんな中でも子どもたちに駄菓子を届けようと工夫をこらす店もありました。平日にもかかわらず、子どもたちが途切れることなくやってきます。
家業である駄菓子屋を継いだ店主。2年前、店をリニューアルしました。そこには、ある思いが…
トミーショップ 冨田憲政店主(51)
「今、若いファミリーに来てもらえれば、子どもだった子が大人になって来てくれるかもしれないので」
子連れの若い世代も訪ねやすいように店の外観をポップなデザインに変身させ、ベビーカーが通れるよう通路を広くしました。
すると、元々50代以上が多かった客層が一気に若返り、売り上げが5割ほど増えたといいます。
トミーショップ 冨田憲政店主(51)
「子どもに駄菓子屋の文化を残してあげたい。楽しく買い物していますね皆さん、そういうの見ていると私の代でつぶすわけにはいかないかな」
値上げラッシュの中、駄菓子文化を次の世代に引き継ぐ努力が続いています。