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10月に到来……今年最大の“値上げラッシュ” ペットボトル飲料、ついに「200円」間近 時給UPに期待?【#みんなのギモン】

2024年10月2日 9:14
10月に到来……今年最大の“値上げラッシュ” ペットボトル飲料、ついに「200円」間近 時給UPに期待?【#みんなのギモン】
10月に入り、今年最大の賃上げラッシュが到来。ペットボトル飲料やハム・ソーセージ、菓子など対象は幅広く、コメも値上がりしました。最低賃金の引き上げなど、背景には人件費の問題もあります。首相が代わり、「時給1500円」は近づくのでしょうか?

そこで今回の#みんなのギモンでは、「値上げ続々…時給アップに期待?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。

●最大の値上げ 食品いろいろ
●最低賃金 引き上げの影響は

■何が値上げ? 今年最大の2911品目

近野宏明・日本テレビ解説委員
「10月に入り、今年最大の値上げラッシュが来てしまいました。帝国データバンクの調査によると、10月に値上げする食品・飲み物は、お酒・飲料やハム・ソーセージ、食用油、菓子、調味料、乳製品など広範にわたり、全部で今年最大の2911品目となります」

鈴江奈々アナウンサー
「日常の中でお世話になっているものばかりで、結構食卓に響きますね」

斎藤佑樹キャスター
「きょうコンビニに行きました。(値段を)1個1個は見なかったんですけど、レシートを見たら『あ、こんな高いんだ』とびっくりしました」

近野解説委員
「家計に影響が出やすい食品が多くあります。中でも値上げ品目全体の約半分を占めるのが、お酒やペットボトル飲料で、1362品目が値上げされます」

■500mlのペットボトル飲料はどう変わる?

近野解説委員
「コカ・コーラボトラーズジャパンの『コカ・コーラ』、キリンビバレッジの『午後の紅茶』、アサヒ飲料の『三ツ矢サイダー』について、いずれも500mlの商品は現在160円ですが、180円になります。消費税を加えると、200円近くの値段になります」

森圭介アナウンサー
「自動販売機も200円になってしまうかもしれないということですよね? この間まで150円くらいでしたよね」

近野解説委員
「いよいよ大台が迫るという…」

森アナウンサー
「200円だったらちょっと考えてしまいます」

■ハム・ソーセージ、人気の菓子も

近野解説委員
「他の食品では10月出荷・納入分から、ハム・ソーセージも一斉に値上げ。日本ハム、丸大食品、伊藤ハムが最大で2割ほど引き上げます。家庭用の食用油では、日清オイリオグループが4%~7%、昭和産業も1キロあたり20円以上値上げします」

「菓子では、『明治ミルクチョコレート』や『きのこの山』などを約6%~31%値上げ。亀田製菓の『ハッピーターン』などせんべい商品は、約9%~22%程度の値上げです」

瀧口麻衣アナウンサー
「いま一人暮らしをしていますが、これだけいろんな物が値上がりすると、やりくりが難しいなと思いますね」

■需給ひっ迫の影響で…コメも値上げ

近野解説委員
「コメの需給ひっ迫の影響を受けた値上げもあります。ガストなどのファミレスが、ライス関連を30円~55円値上げ。弁当販売のオリジン東秀は一部店舗(全473店舗中の124店舗、関東・近畿地方)で、おにぎりなどのコメの量を減らす実質的な値上げを行いました」

「11月には、パックご飯で一斉値上げが予定されています」

斎藤キャスター
「お米派とパン派で言うとお米派の人間なので、困ります」

近野解説委員
「困るんですが、いろんな事情があって致し方ありません。さまざまな要因が重なっています。原材料費や物流費、資材費の上昇に加えて、円安や人件費の問題もあります」

■最低賃金、全国で去年より51円UP

近野解説委員
「最低賃金は1日以降、都道府県ごとに日程や額は異なりますが、順次引き上げられます。全国平均は時給1055円で去年比51円アップ。最低賃金が1000円を超えるのは16の都道府県で、去年より大幅に増えました。最高は東京都の1163円、最低は秋田県の951円です」

森アナウンサー
「地域でもかなり差はあるんですね」

近野解説委員
「その地域の経済状況や物価など、いろいろ加味されているということなんだと思います」

■コスト上昇…厳しいやりくりの経営側

近野解説委員
「都内にあるケーキ店『パティスリーアンシェヌマン』では、アルバイトの時給をアップさせました。田中俊幸オーナーシェフによると、もともと時給1120円でしたが1170~1180円にしました」

「原材料費や光熱費が上がっていて、もちろん負担はありますが、最低賃金は法律で決められていてクリアしないといけないということで、新しい時給に設定したそうです」

斎藤キャスター
「僕も会社持っていますが、経営者として社員のお給料は上げたい、でもコストはカットしていかなくちゃいけない。経営者は大変ですよね」

近野解説委員
「ジレンマを抱えながら経営をされている方は本当に多いと思います。特にいま、人手が足りないので中小企業は実際には業績がそれほど上がっていないのに、賃上げによって従業員をつなぎ止める、“防衛的な賃上げ”でなんとかしのいでいる実態もあると聞きます」

「働く側にとっては賃上げは喜ばしいですが、中小零細業者は業績がそこまで伸びていないところでも、適正な価格転嫁が実現できないうちは、かなり苦しいやりくりが続いてしまうことになりそうです」

■石破首相「2020年代に1500円」

近野解説委員
「最低賃金については就任したばかりの石破首相は、(自民党の)総裁選中の政策発表で、2020年代に全国平均を時給1500円に引き上げることを掲げました。岸田政権の目標は2030年代半ばだったので、10年ほど前倒ししようとしています」

「立憲民主党も、1500円を将来的な目標にしていて、中小零細企業を中心に、公的な助成をしながら段階的に引き上げるとしています。与野党ともに一致しているようにも見えますが、どうなるか注目ですね」

鈴江アナウンサー
「値上げのニュースをお伝えしていますが、物価上昇よりも私たちのお給料が上回ることがないと生活は苦しい。一方で経営者目線では、事業が継続できないと仕事がなくなってしまい、私たちの収入もゼロになってしまう。そのバランスは本当に難しいですね」

近野解説委員
「誠実に働く人が正当な賃上げで報われる、そして暮らしが値上げの波についていける。そういう当たり前の好循環を、早く、多くの人が実感できるように。こればかりは政治に望むところです」

(2024年10月1日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

【みんなのギモン】

身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト

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