食べるブーケ?コロナで変わる健康意識
新型コロナウイルス感染拡大で、3密回避やステイホーム、リモート会議など、新しい生活様式が広がる中、食べ物や健康への意識も変わりつつあります。
■まるでブーケ?
色鮮やかに飾り付けられたブーケ、と見間違いしてしまいそうなほど美しく盛り付けられているのは、実はラーメンです。エディブルフラワー(食用花)と旬の野菜を花束のようにトッピングしているのが特徴です。
こちらのラーメンを食べられるのは、渋谷にオープンした「マイラーメン グラスヌードルショップ」。(8月末までの期間限定)彩りだけではなく、素材にもこだわっていて、ラーメンの麺はいものデンプンから作ったグルテンフリー。しょうゆ・しお・みそと選べるスープなどには、動物性の食材は一切使われておらず、植物性由来のものだけというこだわりようです。
■誰もが食べられるラーメンを
元々「日本のラーメンを世界に広めたい」と開発を始めたといいますが、ラーメンはスープなどに肉類や魚などの動物性由来の食材が使われているため、「動物性由来」の食材を食べられない国や地域では「日本のラーメン」を食べることができません。そこで、植物性由来の麺やスープにこだわり、味も有名ラーメン店のプロデュースを受けて、ラーメン好きにも満足してもらえるよう工夫したといいます。
■脱ジャンク
ハンバーガーチェーン「フレッシュネスバーガー」が「脱ジャンク」を掲げて発売したのは、「ガーデンサラダバーガー」(440円)。「サラダ」という名前の通り、トマトや紫キャベツのマリネなど、5種類の野菜を、カボチャを練り込んだバンズで挟んでいます。SNSに投稿したくなるように「色合い」まで考えられています。
このハンバーガーは、野菜、肉、バンズなどをバランスよく食べられるようにしたことがポイントです。フレッシュネスバーガーの広報担当者は「健康を気にする方でもハンバーガーでは野菜が不足するという『罪悪感』を感じずに食べてほしい」としています。
■コロナ禍で健康への意識も変化
こうした商品が登場する背景には、長引くコロナ禍で、健康への意識が変化が起きていることも挙げられています。明治安田生命が行ったコロナ禍での健康に関するアンケート調査で、約半数(45,1%)の人が「健康意識が高まった」と回答し、「食事・栄養に気を配るようになった」(50,9%)「運動を心がけるようになった」(35、3%)など、健康増進に向けて、生活習慣の改善に取り組む人が多い結果となりました。
■健康になりたい人も気になる「ヴィーガン」とは?
この「健康的な食生活」の意識が高まる中で、注目されているのが「完全菜食主義」ともいわれる「ヴィーガン」です。このヴィーガン、料理だけでなく、宿泊する部屋「まるごと」ヴィーガン対応の宿泊プランを提供するプランも登場しました。
京都の嵐山にあるホテル「ザ グランドウエスト嵐山」では、1日1組限定で「ヴィーガン客室」を始めました。宿泊したときに食べられる食事だけでなく、室内にあるシャンプーやボディーソープ、歯磨き粉なども、植物由来のものを使って、部屋全体をヴィーガン対応にしています。運営会社の代表・松下美耶さんは、「ヴィーガンを知るきっかけにしてほしい」と健康的になりたい人でも利用してほしいといいます。
おうち時間の増加で、健康への意識が変わることで「コロナ後」も見据えた、健康増進のサービスがさらに増えていきそうです。
写真提供:株式会社マイラーメン