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サッカーでジェンダー平等実現へ

2021年9月7日 17:04
サッカーでジェンダー平等実現へ

今月12日に開幕する、日本初の女子プロサッカーリーグ。「世界一の女子サッカー」を目指すとともに、「世界一アクティブな女性コミュニティー」となるべく、社会課題の解決にも力を入れています。

■女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」

日本初の女子プロサッカーリーグである「WEリーグ」が、今月12日に開幕します。女子サッカーリーグとしては現在「なでしこリーグ」がありますが、アマチュアリーグのため、多くの選手はサッカー以外の仕事をして生計を立てています。

一方で、「WEリーグ」では、全ての選手に給料が支払われます。Jリーグの発足から約30年の後れをとったものの、「WEリーグ」の発足は、女性にとってサッカーが職業として認められる、大きな1歩なのです。「WEリーグ」には、日本各地の11チームが参入。来年5月にかけて、ホーム&アウェー方式の総当たりリーグ戦で110試合を行い、日本一のチームを決定します。

この「WEリーグ」の事業、実はサッカーだけではありません。WEとは「Women Empowerment」、つまり、ジェンダー平等実現への原動力となることを掲げたサッカーリーグでもあるのです。そのため、12月から2月のオフシーズンには、ジェンダー不平等の課題を解決するために「WE ACTION」を実行します。

■ジェンダー平等実現へ「WE ACTION」

「WE ACTION」とはどのような活動なのでしょうか。今年度は、「日本ならではのジェンダーの課題の発見とリスト化」をテーマに、3回の会議を開きます。会議に参加するのは、サッカークラブの選手、スタッフ、そしてリーグに出資する企業の代表者です。企業の代表者は各社2人ずつ。なるべくジェンダーの異なる2人で、10年後に会社を引っ張っていくような人といった条件で選ばれます。

課題の発見とリスト化の手順はこうです。まず、3回の会議のうち1回目と2回目で、統計や参加者の体験をもとに課題を見つけます。つぎにそれらを、「大事なことは男性だけで決める問題」のように、「●●問題」と名付けてリスト化し、「課題ブック」にまとめて社会に発信します。

そして、3回目の会議では、課題を解決するアイデアをとりまとめます。アイデアは関係者に共有され、来年度以降、実行に移されるということです。

WEリーグの岡島喜久子チェアは、ジェンダー平等で日本が世界から後れをとっていることを問題視し、「誰かが強い思いをもってこの現状を変えていくことが、日本の将来には必要」と話します。そのため、今年始まる「WE ACTION」のコミュニティーを起点に、将来的には「大学などの教育機関、ほかの企業やスポーツ団体も巻き込んでジェンダー平等の動きを広げていきたい」と意欲を見せました。

世界経済フォーラムの調査で、達成まで135年かかるとされているジェンダー平等。サッカーリーグを中心に、WE(=私たち)の力で平等な社会の実現を早めることができるのでしょうか。