観光業は大打撃…意外コラボで“地域応援”
まだまだ続く新型コロナウイルスとの戦い。移動や旅行の自粛によって、地方の観光業は大きな痛手を受けています。そんな地域の応援につながればと、いま、ちょっと変わった意外なコラボが始まっています。
◇
東京都内の店舗に並ぶのは、福岡のとんこつラーメンや“和牛入れすぎ”と書かれた大阪のカレー。棚にずらりと並んだ100種類以上の食品。スーパーかと思いきや、実はこちらは書店なんです。
東京・新宿区の「芳林堂書店高田馬場店」では、全国各地のご当地カレーやラーメンを集めたイベントを今月からスタート。いったいなぜ、書店でカレーやラーメンを売っているのでしょうか。
アニメイト宣伝部・鈴木拓海さん
「本屋でも本以外のものが売れないかと模索していて、旅行に行くような気分を味わっていただきたいと」
およそ3年前にご当地カレーのフェアを始めたというこちらの書店。ことしは新たに地域に根付いた食べ物でもある、ラーメンも加えたのです。
アニメイト宣伝部・鈴木拓海さん
「各地域にお客様に興味を持っていただいて、コロナの状況が落ち着きましたら実際にその地域を訪れていただいて、食べていただきたいという思いがある」
◇
意外なコラボから生まれた“地域応援”につながる動き。都心と、伊豆諸島や小笠原諸島などを船で結ぶ「東海汽船」が先月から始めたのは、島ぽちというインターネットの通販サイトです。11の島とつながりのある利点を生かし、島ならではのグッズや食品を産地直送で販売。
中には“新島”特産の「くさやスティック」も。
東海汽船経営企画室 吉岡詩歩さん
「味も絶品でしてお酒のおつまみにも、ご飯のお供にも」
他にもここでしか買えない八丈島でとれたムロアジを使ったメンチなど、およそ140の商品がそろえられたこちらのサイト。立ち上げの背景のひとつがコロナ禍での観光客の減少です。
東海汽船の乗船客は、2019年に比べて40パーセントにまで落ち込んでいるといいます。島ではおみやげの売り上げが減少し、主な産業である観光に大打撃となっているのです。
東海汽船経営企画室 吉岡詩歩さん
「来島者数も減っているというところもありまして、観光の支援にもつなげられたらなと」
現在はプレオープン中で、今月中の正式オープンを目指しているということです。
◇
さらに“地域を応援する動き”は、アウトドアウエアなどを扱う会社でも。
ゴールドウイン ヘリーハンセン事業部マネージャー 三浦真五さん
「知床の町おこしに生かされている“トコさん”というキャラクターを僕らの商品のデザインにさせていただいて」
そのキャラクターが、かわいらしいクマの「知床トコさん」。世界自然遺産に登録されている知床がある北海道斜里町のキャラクターで、町内の看板やマスク着用を呼びかけるステッカーに使われているだけではなく、地元でとれた食品にも使用されるほど。
ゴールドウイン ヘリーハンセンでは、その「知床トコさん」とコラボした子供用のTシャツやトレーナーを先月発売。すると――。ネット販売では一部の商品が一時的に売り切れるほど人気に。
ゴールドウイン ヘリーハンセン事業部マネージャー 三浦真五さん
「僕らの商品、知床の魅力が少しでも伝わって、このコロナ禍が明けた時に是非行ってみようという形で、一般の方々に届けばとてもうれしいです」
コラボ商品の売り上げの一部は町内の川などの保全活動に寄付するということです。