新型コロナで大打撃 バンコクの繁華街は今
国内総生産(GDP)のうち、約2割を観光業が占めるタイ。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかかっていません。去年は約3320万人の観光客と5.5兆円の観光収入を失ったと推計されています。
タイのプラユット首相は今年6月、国内経済を回復させるとして、10月中旬までにワクチン接種を終えた外国人観光客の受け入れを再開すると宣言しました。この宣言をどう受けとめたのか、首都バンコクにある外国人観光客に人気の繁華街「カオサン通り」と「ソイカウボーイ」を訪れ、現地で働く人たちの声を聞きました。
バックパッカーの聖地と言われるカオサン通り。以前の賑わいはなく、非常に閑散としています。
ホテルを経営する男性は「観光客の受け入れ再開が本当にできたら嬉しい」と期待をのぞかせました。レストラン経営の女性は「観光客の受け入れは出来ないと思います。もし観光客が来てもカオサン通りの復活は、もう間に合いません」と目に涙を浮かべました。タイで名物の3輪自動車『トゥクトゥク』の運転手らも、「観光客の受け入れは難しいです。まず先にタイ国民を助けるべきです」と国内のコロナ対策が重要だと主張します。
外国人に人気の歓楽街ソイカウボーイ。コロナ以前は青やピンクのネオンが光り輝く通りでしたが、今は真っ暗です。
バイクタクシーの運転手からは「観光客の受け入れは無理ですよ。今日1日で何人もコロナで亡くなっています」と諦めの声。店の前で屋台を営業する男性は「観光客の受け入れ再開に期待は少しあるけど、正直疑わしいです」と半信半疑のようです。
店はどこも閉まっていて、中には潰れてしまったところも。店の前にいた人たちに話を聞くと「実家に帰ったり仕事を辞めたり、残っているスタッフは少ししかいません。私は防犯のために店番をしています」と状況を教えてくれました。
タイではコロナの感染者が急増していますが、ワクチンの調達が難航し、接種が進んでいません。
観光立国タイの復活はいつになるのでしょうか。