「うま味」世界へ“干しシイタケ”仏で注目
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和食に必ずといっていいほど使われる、だしなどの「うま味」。この日本の「うま味」文化を世界にも普及させようとする取り組みが始まっています。イスラム圏でも売れるアルコール無添加の塩こうじの開発や、パリで注目される“干しシイタケ”を取材しました。
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液体塩こうじで有名なメーカー「ハナマルキ」が今月、世界に向けて発売した新商品の「HA液体塩こうじ」。見た目は、通常の塩こうじとほとんど同じですが──。
ハナマルキテクニカルサポート室 グラン・シェフ 秋山隆作さん
「アルコールを添加せずに技術を確立して、作ることができるようになった」
従来の液体塩こうじは、販売されている間に発酵が進んでしまうのを防ぐため、アルコールを添加していました。そのため、飲酒が禁じられているイスラム圏などでは販売ができなかったのです。
一方、新商品は、みその酵母の発酵技術を応用し、アルコール無添加で製造されました。イスラム教徒が多い中東や東南アジアへの進出を目指します。
従来の塩こうじと味の違いはあるのでしょうか。空揚げにもみこんで、食べ比べてみると、新商品を使った方には、“かす漬け”のような甘みや、うま味がありました。
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世界へ羽ばたく「日本のうま味」。3日、発表された秋の叙勲では、カップスープなどで日本の「うま味」文化を世界に発信した元「味の素」社長、伊藤雅俊さんが旭日重光章を受章しました。
一方、フランス・パリでも注目を浴びている「日本のうま味」があります。
パリにある、うどん店に昼時に行ってみると、ほぼ満席の店内でパリジェンヌが食べていたのは、にんじんやキノコがのったうどんでした。正体は──。
客「ヴィーガンうどんです。ミステリアスな味です」
動物性の食品を一切使わないヴィーガンうどんです。だしには「日本のうま味」が隠されています。
釜喜利うどんパリ店 釣弘幸店長
「宮崎産のシイタケがいいということで」
だしに使われていたのは、日本の干しシイタケです。フランスでの地名度は低いものの、うどんのだしに動物性であるかつお節を使うことを嫌う菜食主義者・ヴィーガンの増加により、にわかに注目を浴びています。
実は、海外で干しシイタケを広げた仕掛け人が、九州の宮崎県にいました。干しシイタケの卸販売業を営む杉本さんです。
杉本商店代表取締役 杉本和英さん
「世界では本当に注目され始めている。外国でマネしたくてもマネできない」
マネできないというのは、日本伝統のクヌギの原木栽培です。収穫までの2年、高度な技術で育ったシイタケは──。
杉本商店代表取締役 杉本和英さん
「乾燥することで香りも高くなるし、うま味成分も出てくる」
日本ではおなじみの味でしたが、これを2019年、ドイツの物産展で試食してもらったところ──。
杉本商店代表取締役 杉本和英さん
「『お肉みたい』と言われました」
ヴィーガンの人たちに口コミで広がったほか、コロナ禍の健康志向が相まって、去年の売り上げは1270万円と、2019年のおよそ2倍になったといいます。
今後、海外渡航の制約が解除されれば、さらなる普及に努めたいということです。