新たな生活必需品 今一番欲しいマスクとは
コロナ禍で、いまや日常生活に欠かせないものとなったマスク。感染の“第6波”が懸念される今、一番身近な感染対策という役割を超えて、“思わずつけたくなる”マスクとは…?
新型コロナウイルスの流行が始まって、間もなく2年。このところ、日本では感染状況は落ち着いてきているものの、本格的な冬を前に、感染の“第6波”への懸念はまだまだ残る。国の新型コロナ対策を担当する内閣府関係者も「第6波は必ず来る」と言い切り、その備えに奔走する日々だという。
そんな中、私たちの日々の感染対策に欠かせなくなっているのが「マスク」だ。日本では、感染者が大幅に減少した秋以降も、公共の場でマスクを着用しない人はほとんど見受けられない。
先の内閣府関係者も「決定的なエビデンスがあるわけではない」としたうえで、外国と日本の現在の感染状況の違いについて、「マスクの着用率の違いが、ある程度影響しているだろう」と分析している。
しかし、海外では感染が再拡大する国も多く、強い感染力を持つ可能性がある新たな変異株が見つかるなど、油断できない状況が続く。防護が簡単にできるマスクとの付き合いは、まだまだ続きそうだ。
そんな、日常生活で“当たり前”になったマスクに対する私たちの考え方も、この2年で大きく変化した。一体、どんなマスクが売れているのか?マスクをはじめ、さまざまな生活雑貨を取り扱う株式会社ロフトによると、最近は「機能性」と「ファッション性」を併せ持つ商品が人気だという。
渋谷ロフトでは、薄めの不織布マスクでありながらプリーツ(ひだ)が入っておらず、立体的な作りになっているため唇が触れにくく息がしやすい、そんな「機能性」に優れたデザインの商品が、11月の売り上げのトップ3を占めている。
「ファッション性」については、去年の時点でも注目されていて、さまざまな柄のマスクが販売された。だが当時は、「不織布マスク」より「布マスク」にその傾向が顕著に出ていたという。
しかし、今年に入って感染力の強いデルタ株が広がり、感染対策への意識がいっそう強まった。このため、感染を防ぐ効果がより高いとされる不織布マスクの需要が増え、おしゃれさだけでなく、しっかりした「機能性」を兼ね備えた商品が数多く販売されるようになった。立体的な形が人気になっているのも、息がしやすいだけでなく、口のまわりに空間があることで話しやすく、仕事などの際にストレスを感じにくいからだという。
さらに、渋谷ロフトでは今、「パーソナルカラー」といわれる自分の肌に合った色を選べるマスクが人気だ。黄みの強い肌に合うベージュや、青みのある肌に合うピンクなど、カラー展開が豊富な商品が増えていて、いまや一般的な白いマスクよりカラーマスクの売り上げのほうが多いそうだ。
その他にも、つけると「小顔」に見えるデザインのものや、めがねが曇りにくい作りになっているものなど、「機能性」と「デザイン性」の高さを兼ね備えたマスクが次々と登場。今後、それぞれの日常にフィットした商品がますます増えていくことが期待される。
なかなか終わりのみえないコロナ禍で、身近で基本的な感染対策であるマスクの「機能」の重要性は今後も変わらない。そこに高い「ファッション性」が融合することで、「新しい日常」を彩る重要なアイテムになっていきそうだ。