公取委、みずほ証券を「注意」株式公開価格めぐる値付け設定で
公正取引委員会は、企業が上場する際の株式の「公開価格」をめぐり、企業側に不利益となりかねない低い値付けをしたとして、みずほ証券に対して独占禁止法違反に基づく、「注意」を行いました。
新規株式公開の手続きでは、主幹事となる証券会社が、上場予定の企業から株式を取得し、「公開価格」と呼ばれる株式の売り出し価格を投資家の需要などをもとに決定します。
みずほ証券はこの手続きの際、2021年5月までの1年間で、2社に対して、企業側が主張した価格を下回る「公開価格」を設定し、またそれ受け入れるよう要請するなどした例があったということです。
公正取引委員会は、この行為はただちに独占禁止法違反とは認められないものの、優越的地位の乱用につながるおそれがあるとして、みずほ証券に対して今後同様の行為を行うことがないよう注意しました。
上場企業が調達できる資金は公開価格で決まりますが、実際に2社の初値はいずれも公開価格の倍以上を付け、当初主張した価格で公開できていれば、2社はより多くの資金を調達できた可能性があります。
「公開価格」をめぐっては、去年、公正取引委員会が問題となる行為の例を示しましたが、これに基づいて措置が講じられたのは今回が初めてとなります。