「爆買い」小売りは期待、観光は人手不足懸念の声も 中国の団体旅行解禁で
中国からの団体旅行の解禁を受け、日本の小売業界では、いわゆる「爆買い」など消費拡大への期待が広がる一方、観光業界では一部で人手不足を懸念する声も出ています。
中国からの利用客が増えると見込まれる航空業界では、今後の対応として、日本航空は解禁後の状況を踏まえて飛行機の増便を検討していくとし、全日空も需要の増加に応じて増便を検討していくとしています。
また、百貨店ではインバウンド需要のさらなる拡大に対応を強化する動きも見られます。京王百貨店は免税カウンターの中国語対応のスタッフを徐々に増やすなど、7月から準備を進めており、高島屋は今後、中国人向けに特化した情報発信を強化していくとしています。
また、松屋銀座は売り上げを期待できる化粧品売り場のスタッフを随時募集する方針だとしています。
中には、団体客が来ることを確認次第、仕入れ量を増やすと話す百貨店もあり、いわゆる「爆買い」など消費拡大への期待が広がっています。
一方で、タクシー業界からは「乗務員の確保が業界全体の課題。常に人が足りておらず、今でも稼働率が需要に追いついていない時間帯もある中、大丈夫かと身構えている」など、需要が増えることに対して不安視する声も出ています。
また、旅館・ホテルなど宿泊業界も、人手不足が大きな課題となっており、今後、インバウンド需要が高まれば、人手不足の問題が顕在化する可能性も出ています。