「推し休暇」「ドッグオフィス」“愛するものとの時間”充実を…会社の制度に変化
多様な働き方へのニーズが高まる中、ある保育園では、自分のお気に入り、いわゆる“推し”を楽しむ活動をするために、通常の有給休暇に加えて休みがとれる「推し休暇」を導入し、話題となっています。また、サイコロをふってボーナスが増える驚きの制度も登場しています。
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会社にどんなルールがあればうれしいか…街の人に聞きました。
会社員(20代)
「ワークライフバランスとかも大事にできるような制度があれば」
会社員(30代)
「事務所でペットを飼ってみたいですね。犬とか猫とかを飼って癒やされる」
その制度、あるんです!
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神奈川県川崎市にある「富士通」は、「愛犬とは一時も離れたくない!」という願いをかなえようと、7月にペットを連れて出勤できる「ドッグオフィス」を試験的に開設しました。24日は、11歳と高齢の柴犬を飼う社員が出勤しました。
富士通総務本部 総務部・塩田真弓さん
「(寿命が)あと数年という中で、どれだけ一緒にいてあげられるか考えてしまうので。私も安心して働けますし、わんちゃんも安心して過ごせるので」
現在、約45匹の登録があり、犬を通じて社内のコミュニケーションも活発になっています。
富士通総務本部 ワークスタイル戦略室・赤松光哉室長
「わんちゃんと一緒にミーティングに参加するということで、非常に和んだ雰囲気になったり」
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愛するものと一緒にいる時間を、より大切にする時代。
北海道札幌市の「アリス保育園」が11月に導入するのが、自分のお気に入り、いわゆる“推し”を楽しむ活動をするために、通常の有給休暇に加えて休みがとれる制度です。
アリス保育園・遠藤政志園長
「『推し休暇』という制度です」
推しはアイドルに限りません。
保育士
「私の推しはディズニーランドです」
「温泉が好きなので、温泉旅行で使いたいと思います」
年間で最大10日とれるという推し休暇。園長自身も人生をささげる“推し”がいるということです。
アリス保育園・遠藤政志園長
「私は、BUCK-TICKというバンドですね」
ファン歴35年、ライブで全国を飛び回る遠藤園長は、「推しの時間を増やすことでプライベートが充実して、笑顔で子供たちと過ごしてほしいというのが、この休暇の狙いですね」と話しました。
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サラリーマンにとって、とても大切な“お金の制度”も時代に合わせたものがありました。
神戸市にある、“焼きビーフン”が看板商品の「ケンミン食品」は、日用品などの値上げラッシュの中、社員の生活を守ろうと、在籍期間に応じて1人あたり最大で5万円の手当を支給しました。
ケンミン食品・田中国男広報室長
「7月に“インフレ手当”を支給しました」
インフレ手当を支給する会社は、全国でも増えています。
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ボーナスを“運にゆだねる”という会社まで登場しました。
WEB制作などを行う会社「カヤック」は、サイコロを毎月ふり、出た目が大きい程、ボーナスが増えるといいます。
例えば、月給が30万円の人は「6」が出れば、6%の1万8000円がプラスに!
カヤック・藤田浩三さん
「(出た目が小さいと妻に)お小遣い下げると言われちゃいます」
――手が震えてますか?
カヤック・藤田浩三さん
「震えてます」
妻の顔が頭をかすめる中、サイコロをふると…出た目は「2」でした。
カヤック・藤田浩三さん
「あとで妻に『ごめん』とLINEします」
楽しみながら働いてほしいと導入された制度。コミュニケーションのきっかけにもなっています。
カヤック広報部・梶陽子部長
「例えば、高い『6』が出た社員に『おごってよ』と言ったりとか、社内のコミュニケーションの1つとしても使われています」
ユニークな企業のルールについて、街の人は――
大学生(20代)
「自分にとってプラスになるかは、よく選ばないといけない」
経営者(70代)
「(人より)5倍働けば幸せになるよという時代だったけど、今はそうじゃない。経営している側が変わらないといけない」
“人が会社を選ぶ”時代。時代の変化に合わせた企業の新たな独自ルールは、今後も増えてきそうです。