日本中が値上げラッシュのなか あえて「値下げ」「価格据え置き宣言」のワケ
「円安・原材料・輸送費」高騰と“トリプルパンチ”の環境で、様々なものの値上げラッシュが続く中、あえて“価格据え置き”を宣言する店が登場しています。
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今、ファミリーレストランでテイクアウトの需要が伸びています。
すかいらーくグループは、期間限定でテイクアウトメニューの「値下げ」に踏み切りました。「たっぷりマヨコーンピザ」は、通常より108円お得な431円に値下げされました。
ピザをテイクアウトした人は――
「手頃になっているとうれしいですね。懐に優しい」
値下げは3月3日までの期間限定で、すかいらーくグループが運営する10のブランドで行われます。
バーミヤンでは先週から「油淋鶏(味変!!胡麻ソース付き)」が431円と、通常より324円安くなっています。
様々な食材が高騰する中、値下げを実現できたそのワケは――
すかいらーくホールディングス 広報室・山田剛司さん
「自社のセントラルキッチンで、様々な食材の一次加工を一緒にすることで、少しでも食材原価の高騰を抑えて」
すかいらーくホールディングスによると、「お得な商品を提供するため、食材の調達や加工を効率化している」ということです。
また、キッズカレーも270円に大幅値下げし、「休校などで、家で過ごす子供たちを『食』で支援したい」といいます。
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“値上げラッシュに負けない”店は、飲食店以外でも。
最近は機能性だけでなく、オシャレにも力をいれているワークマン。軽さがウリのスニーカーは980円から、はっ水加工されたジャケットは2900円で販売していますが、ワークマンは“ある決断”をしたといいます。
ワークマン専務取締役・土屋哲雄さん
「自社で作っている製品ですが、(値上げの)検討はしたんですが、今はしにくいし、するべきじゃないと」
商品作りを取り巻く環境は「円安」「原材料」「輸送費」高騰のまさに“トリプルパンチ”状態です。
それでも、プライベートブランド商品の価格を据え置くと発表したのです。ワークマンでは、売り上げ全体の約6割を占めるプライベートブランドの価格を4種類(980円・1900円・2900円・3900円)に固定しました。
値上げすれば、顧客が離れてしまうことを危惧したのです。そこで、「売れ筋商品を大量生産することで、原価を抑える努力をしている」ということです。
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菓子製造や販売などを行うシャトレーゼでも、価格据え置きの動きがあります。
あんこと塩気の効いたバターが癖になる「北海道産バターどらやき(129円)」や「スペシャル苺ショート(324円)」など、ほぼすべての商品について値上げしないと決めました。
シャトレーゼホールディングス・齊藤寛会長
「いまお客さんが一番やってほしいことは『値上げしてもらいたくない』という声。(“値上げラッシュ”を)受け入れるんじゃなくて、対抗していこうと」
価格を維持できる秘密は、材料の仕入れから、製造・販売までのすべてを自社で行っていること。さらに、節電などコストカットの努力もあるといいます。
シャトレーゼは「少なくとも来年3月までは、現在の価格を維持していきたい」ということです。