“常温保存で大根が溶けた” 猛暑で野菜も“夏バテ” 暑さに負けない保存方法は?
記録的暑さで野菜も悲鳴をあげています。夏野菜は変形するものが増加し、常温保存していた野菜は溶けたといいます。野菜の夏バテとも言える現象は、家の中の野菜にも起きていました。
終わりの見えない“危険な暑さ”が続く中、東京・品川区の青果店で配られていたのは…
「冷やしきゅうりプレゼントしています」
冷え冷えのきゅうりです。
小学5年生
「冷えていておいしい」
母親
「パリパリしている」
配られていたのは、全て猛暑の影響で変形してしまった“まがりきゅうり”です。今年は例年より規格外のきゅうりが約2割も増加。(※契約農家による)
それでもおいしさは変わらないと知ってもらうため、野菜の宅配サービスを行う会社が無料配布を企画したのです。
オイシックス・ラ・大地 広報・丸尾幸子さん
「(規格外でも)味には全く変わりがないので、お客さまに知っていただける機会があれば」
猛暑による“異変”は、収穫後の野菜にも起きていました。
「トマトとか暖かい部屋に置くと、すぐ完熟してしまう」
「(スーパーから)帰るまでの(15分ほどの)間にレタスがくたってしまう」
東京・葛飾区の青果店「やませい食品」では大根に異変が…
やませい食品 松丸雄一店長
「水気が多いせいか、溶け始めたりして商品にならない」
市場で仕入れた後、店内で“常温保存”していたところ、一部が溶けてしまったというのです。
やませい食品 松丸雄一店長
「(この暑さは)今までに経験したことない。保存が難しい状況なので苦労している」
暑さから守るため、大根やニンジンなども売り場に並べる直前まで店内の冷蔵庫で保存しているといいます。
野菜たちも耐えられないほどの今年の夏。常温保存に悩んでいた家庭に話を聞くと…
「意外とすぐに傷んできちゃう」
お昼ご飯に調理していたのは、さつまいも。去年まではエアコンのある部屋で常温で保存していたといいますが、今年はなるべく早く食べきるようにしているといいます。
というのも、今年、こんな失敗談があったそうです。
「普段はここに玉ねぎ、じゃがいもを置いていて、周りが茶色く変色して腐っている状態」
いつもコンロの下のスペースに玉ねぎなどを常温で保存していましたが、今年はエアコンを使っていたのに腐ったというのです。そのため…
「買ったらすぐ冷蔵庫に入れて」
野菜の常温保存はやめて、全て冷蔵庫での保存に変えたということです。
専門家は、暑い夏場は冷蔵庫の野菜室に入れるのが望ましいと話します。さらに、より日もちさせるポイントを聞きました。
野菜ソムリエ・上級プロ 高崎順子さん
「袋に水滴がついているので新しい袋に詰め替えると良い」
野菜に水分がつくとそこから菌が繁殖し、腐りやすくなる原因になるのでNG。そのため、水分がついていた場合は元の袋から取り出す。さらに、冷蔵庫内の結露などで野菜に新たな水分がつかないよう、キッチンペーパーなどで1つずつ包み新しい袋へ。その一手間で1週間から2週間ほど保存可能だといいます。
入れ方にもポイントがあります。複数の野菜を重ねて保存するのはNG。
野菜ソムリエ・上級プロ 高崎順子さん
「傷みやすくなるので重ならないように入れる」
こすれや重みで傷みやすくなるため、重ならないよう保存することがおすすめだということです。