政府は28日、日本銀行の新たな審議委員に、早稲田大学の教授を務める小枝淳子氏（49）を充てる人事案を国会に提示しました。3月25日に任期満了となる安達誠司審議委員の後任で、衆参両院で人事案が承認されれば、5年の任期を務めることになります。

小枝氏はIMF＝国際通貨基金のエコノミストなどを歴任し、2017年から18年にかけて、日銀の金融研究所で国内客員研究員を務めました。

3月で退任する安達審議委員は、積極的な金融緩和を支持するいわゆる「リフレ派」のエコノミストでしたが、小枝氏は過去に、日銀のマイナス金利政策の副作用を主張する論文を発表していて、市場関係者からは「金融政策の正常化にはやや積極的ではないか」との見方も出ています。

日銀の最高意思決定機関である政策委員会は、総裁、2人の副総裁、6人の審議委員の計9人で構成されていて、小枝氏が就任すれば、このうち2人が女性になります。