庶民の味覚・ミズガニ漁解禁 しけで出港見合わせも客足復活へ期待
庶民の味覚として親しまれるミズガニの漁が20日から解禁となりましたが、初日はシケの影響で初日は出港を見合わせました。能登半島地震の影響で客足が落ち込む中、観光関係者は地元ならではの味をアピールして巻き返しを狙います。(2月20日)
越前町の海産物店では、船が出なかったミズガニの代わりにベニズワイガニを買い求める姿が見られました。ミズガニは脱皮して半年以内のオスのズワイガニ。殻が柔らかく身が「ずぼっと」取れることから“ズボガニ”とも呼ばれ、みずみずしい味わいと手ごろな価格が人気です。
カニシーズン真っ只中で本来なら書き入れ時のはずの町内の旅館ですが、今年は事情が違います。
■うおたけ 今村真美子さん
「(先月)1日の地震があってからキャンセルが続きました。キャンセルがあっても新規に入ってこない。新幹線も開業しますし、ミズガニ始まると思うのでそれを出せる。少しでもお客に反応してもらえるとありがたい」
越前町観光連盟によりますと予約のキャンセルは1000件・3100人分、被害額は1億2000万円あまりに上っています。
新幹線開業に加え、国の「北陸応援割」も来月からスタートするとあって、地元の漁師もカニで地域を盛り上げたいと意気込んでいます。
■越前町小型底曳網組合 泉 誠会長
「福井の自慢できる食材のひとつ。ぜひ福井県のミズガニを関東・東京の人に味わってほしい。観光が落ち込んでいる中、カニを求めてこられる人のためにも、我々漁業者一丸となって期待に応えられるよう頑張ります」
相次ぐキャンセルや自粛ムードで大きな打撃を受けた観光業界。地元ならではの庶民の味をアピールしてカニシーズンの巻き返しを狙います。