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「北陸応援割」3月スタート 最大2万円を補助 地震の影響続く温泉旅館や漁業の現場 政府が正式導入決定

2024年1月25日 20:02
「北陸応援割」3月スタート 最大2万円を補助 地震の影響続く温泉旅館や漁業の現場 政府が正式導入決定

能登半島地震を受けて、政府は北陸エリアの宿泊料金の半額を補助する「北陸応援割」を導入することを正式に決めました。越前がにシーズンにキャンセルが相次ぐ県内の温泉旅館や水産業界でも期待が高まっています。(1月25日)


新潟を含む北陸4県を対象に、最大2万円を上限にホテルや旅館の宿泊料金の半額を補助する仕組みで、3月からゴールデンウイーク前の4月下旬まで実施されます。

■リポート・吉岡弘起記者
「能登半島地震で深刻な打撃を受ける観光業新幹線開業を控える県内の観光地ではこうした支援を追い風に巻き返しを図ります」

能登半島地震の影響で予約のキャンセルが相次ぐ県内。被害は書き入れ時の旅館や越前がにシーズン真っ只中の水産業者に広がっています。あわら市によりますと、あわら温泉では約6,500件(約2万2,500人分)のキャンセルが発生し、被害は5億円近くに上っています。

あわら市のグランディア芳泉では、3月までに2,000件のキャンセルが発生したということで、24日の大雪もこの事態に拍車をかけ、従業員を一部休ませるなど対応に追われています。

■グランディア芳泉 女将・山口由紀さん
「キャンセルもたくさん出ていますし、新規の予約が入ってこない状況。(新幹線)金沢開業から福井開業まで、能登地方の女将さんとは活動を共にしてきました。そんな中で地震があったけれど、北陸はひとつ。私どもができることは元気にお客をお迎えし、幸せになって帰っていただくこと。それがすなわち能登の皆さんの復興につながるものと信じています」

今回の政府の支援策を歓迎していて、宿泊代金の一部を復旧支援として被災地に寄付するなど一緒に復興を盛り上げたいとしています。

観光客の減少に伴い、シーズン真っ只中の越前がにの漁にも影響が及んでいます。

■五島水産 五島精一社長
「カニの需要が減っている。今までだと1月はカニの需要が多いので、漁業者は漁に出ている。新幹線開業もあるし、需要と供給の関係で値段が上がってくれると今年は期待していた。それが正月からこのようになって頭を抱えていたところだった。応援する形の話が出てきて、特に石川県は助かると思う」

燃料や資材の高止まりが続く漁業の現場では、カニの引き合いが低迷するのは死活問題です。

能登半島地震の直後、石川県有数の観光地・和倉温泉の旅館の担当者はあまりの被害の大きさに戸惑いながらも取材に応じ、次のように語っていました。

■和倉温泉 美湾荘・白髭哲(しらひげ・てつ)企画販売部長
「今回の能登地震で近隣の温泉地観光地に風評被害を絶対してほしくない。風評被害によって北陸全体が低下するようであれば、結局のところ我々の復興も遅れてしまう。そのためにも安全なエリア、北陸の中でも安全な場所については行ってもらって、その先に能登の復興があるのではないかと思っている」

被災した温泉地の復興への願いも受け止め、北陸が一丸となった観光の盛り上げへ。2か月を切った新幹線県内開業も見据えながら、観光客増加への期待が高まります。

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