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【解説】円安どこまで進む? 深刻…家計にも影響、為替介入の可能性は

2024年4月25日 20:05
【解説】円安どこまで進む? 深刻…家計にも影響、為替介入の可能性は

円安に歯止めがかかりません。外国為替市場で円相場が約34年ぶりに1ドル=155円を突破しています。経済部・日銀担当キャップの渡邊翔記者が、今後に関する以下の3つのギモンを解説します。

【3つのギモン】
1:まもなくGW…影響も
2:為替介入はある?
3:進む円安…どこまで?

鈴江奈々キャスター
「まずは、現在(25日午後5時ごろ)の円相場を確認すると1ドル=155円62銭台となっています」

経済部・日銀担当キャップ 渡邊翔記者
「じりじりと155円を突破してからも円安が進んでいて、徐々に156円と次の節目が見えてきているような状況です」

■まもなくGW…海外旅行への影響は

鈴江奈々キャスター
「そこでまず1つめのギモンです。まもなくGWですが、GWへの影響…GWに海外旅行を計画している方はここまで円安が進むと大変ですよね」

渡邊キャップ
「去年のGWの時期と比べて、ドル円相場が、どれだけ変わっているかグラフにしてみました。ちょうど1年前は1ドル=133円台だったのですが、じりじりと円安が進んで、きょう(25日)は先ほど確認したように、155円台後半と、20円以上円安が進んだことになります」

「たとえばハワイに行くために10万円をドルに替えて現地で使おうと考えたときに、単純計算で約100ドルは予算が減ってしまうぐらいの変化になります。きょう(25日)、羽田空港で取材しても非常に悩ましい声が聞かれました」

チアダンスの大会で米・フロリダへ(羽田空港、25日午後)
「弁当が5000円と言われたので、ちょっと…と思って自炊にしました」
「泣きそうです。うちは親子で行くので」

妻の単身赴任先 米・ボストンへ(羽田空港、25日午後)
「食べ物を買うときはスーパーで。ラーメンも3000円とかするので、あまり外食には行けないかな」

■円安でインバウンドの効果も…物価高で日本人の消費が冷え込む懸念も

鈴江キャスター
「日本人が海外に出てお金を使うのは厳しいですが、一方で、外国の方が日本に来たら、ものすごく安く感じて、お買い得な状態…円安によってインバウンドの効果はありますよね」

渡邊キャップ
「効果はあるにはあります。しかも、きょう(25日)発表された、先月の百貨店のインバウンドによる売上は、過去最高を記録しているんです。ただこの水準まで円安が進むと、インバウンドのことより、私たち日本人の消費が冷え込まないかを気にしなければなりません。今年は春の賃上げが非常に好調でした。ようやく消費が上向く兆しがある中、円安がさらなる物価高につながれば、せっかくの賃上げの効果がなくなってしまうことになります」

鈴江キャスター
「なるほど。物価高で消費が冷え込むと、経済全体にもマイナスの影響があるということですね」

■為替介入の可能性は

鈴江キャスター
「2つめのギモンは『為替介入はあるのか』。為替介入は、政府と日本銀行が円安を食い止めるために行う対応のことですよね」

渡邊キャップ
「そうです。今回の場合は、大規模にドルを売って円を買うことで、円高になるよう誘導します。やるかどうかは財務省が判断して、実際に作業を行うのは日銀ですが、おととし(2022年)秋に行われた複数回の為替介入では、実に合計9兆円もの資金が使われました」

鈴江キャスター
「9兆円が投じられたということですが、いまはその時よりもさらに円安が進んでいますから、そのお金は、焼け石に水だったんじゃないのか、という見方はないのでしょうか」

渡邊キャップ
「まさにおっしゃる通りで、為替介入というのは、円安を一時的に食い止める効果しかありません。実はいまの円安の根本的な原因はアメリカの方にありまして、アメリカの金融政策が変わって、円を売ってドルを買う動きが止まらないと、大きな流れ自体が変わらないのです。なので、介入をすべきかどうか、これは市場関係者の中でも、いま見方が分かれています」

■進む円安…どこまで?

鈴江キャスター
「そして3つめのギモンは『円安はどこまで進むのか』。ここが一番気になりますが…」

渡邊キャップ
「実は市場関係者に取材すると、状況によっては、1ドル160円まで近づくことにも備えなければいけないという見方もあります」

桐谷美玲キャスター
「1ドル155円の今でもちょっと(大変)…と感じてしまいますが、もっと円安になっていく可能性があるということですか」

渡邊キャップ
「そうです。先ほどお話ししたように、そもそもの円安の流れが変わるためには、アメリカの金融政策の変更を待つしかないと。そして、いまの市場の見方ですと、これが早くても秋頃ではないかと見られています。まだ結構、時間があります。それまでの間は、為替介入をして食い止める。もしくは日本銀行が金利を上げていけば、これも結果として円高に戻す要因になります」

「まさに、きょう(25日)と明日(26日)、日銀が金融政策を決める会合を開いているのですが、今回は日銀、金利を上げることはしない見通しです。ただ明日(26日)の会合後には、植田総裁が会見を行います。ここで、今後の金融政策をどうしていくのか、また円安による物価への影響をどう見ているのかなど、植田総裁がどう発言するかというのが、直近の円安の今後に大きく影響してきますので、ここが当面一番の注目となります」