新社会人と初任給「経験にお金を使っていきたい」 中小企業にも引き上げの動き 福岡
新年度がスタートしました。福岡県内では多くの企業が初任給を引き上げて、新入社員を迎えました。
1日、福岡市中央区で入行式を行ったのは、地場大手の西日本シティ銀行です。今年度は5年ぶりに事務職の採用が復活したため、去年よりおよそ60人多い227人が入行しました。
■新入行員代表・竹野成美さん(23)
「入行する喜びをかみしめると同時に、公共性が高く、社会的責任の大きい銀行に身を置くことの重大さに身の引き締まる思いです。」
新入行員に対し、村上英之頭取は「物価高や人手不足など変化の激しい時代だが、ビジネスマンにとってはチャンスだと捉えてほしい」と激励しました。
西日本シティ銀行では今年度、新入行員の初任給を引き上げます。大卒の総合職は、これまでより2万5000円アップの24万円です。
■樋口林太郎さん(24)
「素直にうれしいです。モチベーションアップにつながります。」
■深井菜乃子さん(22)
「経験にお金を使っていきたい。趣味などを増やしていきたいなと思っていて、それによっていろんな方と親密に関われる機会が増えると思うので。ゴルフ、やってみたいなと思います。」
■吉村史織アナウンサー
「こちらでは県内の中小企業、35社が集まって合同の入社式を行っています。賃上げの流れは大企業だけではなく、こうした中小企業にも及んでいるということです。」
合同入社式の主催団体によると、今年度、初任給を引き上げる中小企業は6割を超える見込みだといいます。
■福岡県中小企業家同友会 専務理事・川畑義行さん
「一定の額ではないと(就職先の)候補にのらないという状況があると聞いています。」
飲食業界のこちらの会社では、去年より2割ほど初任給を引き上げたといいます。
■飲食業 社長(初任給2割アップ)
「(去年)秋に5%アップして、この4月に5%アップして、それが新入社員の給料に4月から反映される。安心して働けるようにするというのが第一。」
■製造業 人事担当者(初任給3パーセントアップ)
「少子化で労働人口も減っている。そのあたりの人材確保の難しさ、採用の難しさを肌で感じている。物価高の影響もありますので、生活など厳しいところを少しでも企業として力になれれば。」
一方、ことしは据え置いたという企業でも、前向きに検討を進めているようでした。
■アパレル業 担当者(初任給据え置き)
「(賃上げの動きは)注意して見ているようにはしている。現実的に難しいところもあったりするので、できる範囲で社会の情勢などを見ながらそろえていきたい。」