【5月から417品目が値上げ】オリーブオイルは最大66%値上げ「食べる量を減らすしかない」スペイン料理店は悲鳴 福岡
5月になり、暮らしに欠かせない食品や電気・ガスが相次いで値上がりします。中でも大幅に値上げされるのがオリーブオイルです。福岡市の飲食店からは悲鳴が上がっています。
1日午前、福岡市東区のスーパーでは。
■エムズ美和台店・久松浩一 店長
「オリーブオイルが値上げの対象になっている。」
このスーパーでは、ことしに入って1本200ミリリットルの一部のオリーブオイルを399円から499円に値上げしたばかりですが、6月以降、さらなる値上げを予定しています。
■久松 店長
「問屋からの仕入れになるので、1か月から2か月先の値上がり。60%以上の値上げなので、売り場で100円とか200円くらい上がるのでは。」
家庭用のオリーブオイルの値上げ幅は、J-オイルミルズが32%から66%、日清オイリオグループが23%から64%に上ります。
背景はヨーロッパを襲った記録的な干ばつです。原料のオリーブの不作が続き、オリーブオイルの在庫も世界的にひっ迫しています。
■買い物客
「これを買う。好きでよく使うので。食べる量を減らす、そういうやり方しかない。必需品だから。」
■買い物客
「どうしてこんなに全てのものが上がるのかなって思う。」
■買い物客
「買いだめしている分があるが、また買っておこうかな。」
オリーブオイルの大幅な値上げに頭を抱えているのが、福岡市内のスペイン料理店です。
■阿部まみフィールドキャスター
「アヒージョに欠かせないのがオリーブオイルです。エビのうまみが溶け込んで、オイルの風味が食欲をそそります。」
スペインで修業したシェフが作るエビのアヒージョ。特にこだわっているのがオイルです。
アヒージョにメインで使っているのは、エクストラバージンオイルとひまわり油を合わせた2種類のブレンドオイルです。
店では1か月に100リットルのオリーブオイルを使いますが、仕入れ値は数年前に比べて倍近くに膨れ上がっています。
■炭焼きスペイン料理アイレ オーナーシェフ・伊藤貴光さん
「(オリーブオイルは)めちゃくちゃ大事。これがないとスペイン料理はできないくらい大事なもの。今の価格高騰は困っている。値段を上げることも視野に入れないといけない辛い状況。」
さらに追い打ちをかけているのが。
■伊藤さん
「電気もガスも値上がりすることばかりで、負担がすごく大きい。」
電気とガスの料金は、5月の使用分から政府の補助金が半減することから値上がりします。平均的な使用料の家庭で、電気料金は425円増え7101円、ガス料金は140円増え6577円となります。
私たちの生活を直撃する値上げの波は、今後も続きそうです。
417品目と数は減ったが値上げ率が大きい…円安どうなる
帝国データバンクの調査によりますと、今回値上がりする食品は、オリーブオイルのほか、ペットボトル飲料や、インスタントコーヒーなど417品目と、数だけ見れば4月の2830品目からは大幅に減りました。
ただ気になるのは値上げ率です。今回の平均値上げ率は31%、つまり5月に値上がりする食品は、平均して値段が1.3倍になるということです。
今後の見通しですが、ポイントは急速に進む円安です。
帝国データバンクは、今後1ドル=150円台後半の水準で長期化したり、円安がさらに進んだりすることになれば、ことしの秋以降、再び値上げラッシュが起きる可能性があると分析しています。