「こんな面接は嫌だ!」学生は私服 大喜利・ラップ・AIが事業紹介 型破りな会社説明会のワケ 福岡
春は就職活動のシーズンですね。9日、福岡市で、WEBコンサルティング会社の説明会が開かれました。そこで披露されたのは、社員たちによる劇や大喜利(おおぎり)、ラップです。服装も型にはまらず、さまざまです。この会社説明会を開いた背景に、どんな理由があるのでしょうか。
9日、福岡市に本社を置くWEBコンサルティング会社、ペンシルの企業説明会が開かれました。参加したのは就活中の大学生15人で、そのほとんどが“私服姿”です。
就職活動と言えばいわゆるリクルートスーツが思い浮かびますが、この会社が呼びかけたのは“最も自分らしい服装”での来場です。
■社員
「こんな面接は嫌だ!面接受けたらインスタの“いいね”が100個増えた。」
社員が大喜利で学生の緊張をほぐします。
事業説明を行うのはことし4月に“入社した”というAIです。
さらに、コミュニケーションが苦手という設定の社員がラップで自己表現したり、社員と就活生が紙風船でゲームをしたりと、会社説明会のイメージからはずいぶんかけ離れています。その狙いとは。
■ペンシル・倉橋美佳 社長
「私たちが表現したかったことは、入社しないと分からないことだったり、リアルな我々の表現を見てもらって、それがフィットすればいいなと思ったので。学生の記憶に残るものが大事なのかなと思っています。」
このユニークな会社説明会は、ことしで3回目です。個性豊かな学生の獲得につながっているといいます。
■去年入社したパク・ソヨンさん
「みんなに合わせて大手企業に入るべきだとか、将来、稼げる仕事に勤めるべきだとか、それに集中してしまうのですが、このイベントに参加してその認識を変えるきっかけになりました。自分が楽しくやっていないと次に楽しいことも生まれないので、自分にとって楽しくやっていけることを選ぼうと思っているのを大事にしています。」
■説明会に参加した大学4年生
「他社と違うところを見せる工夫というか、ユニークさも伝わりますし、社内の雰囲気も伝わりやすい。」
「いまの時代って自分らしさがすごく求められると思うので、そういう面では会社らしさがすごく前面に見えてきて、自分の考えていることとの認識が合わせやすかった。」
”当たり前”にとらわれず、自分らしく。「就活」にも新たなカタチが生まれ始めています。
去年の新入社員を対象に行われたあるアンケートでは「どのような特徴を持つ職場で働きたいか」という質問に対し「お互い助け合う」がトップで66.4%でした。次いで「お互いに個性を尊重する」が50.7%で、10年前から21.8ポイント増え、過去最高となりました。
調査を行ったリクルートマネジメントソリューションズは「いまの新入社員は働く環境に対し『個が守られたまま繋がりあう』ことを望む意識が強まっている」と指摘しています。