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西鉄バス運賃値上げ 福岡地区の初乗り210円 利用者から切実な声も 各事業者で相次ぐ

2024年1月19日 17:54
西鉄バス運賃値上げ 福岡地区の初乗り210円 利用者から切実な声も 各事業者で相次ぐ
西鉄が路線バス運賃を25年ぶりに値上げ

市民の生活の足として欠かせない西鉄の路線バスの運賃が20日、値上がりします。25年ぶりの値上げとなり、利用者からは戸惑いの声も聞かれました。

西鉄バスの運賃値上げで、20日からの初乗り運賃は、福岡地区で今より40円上がり、210円となります。

西鉄が運賃を値上げするのは、消費税増税による料金改定を除くと、実に25年ぶりです。

■吉村史織フィールドキャスター
「西鉄バスの定期券売り場では、あすからの料金改定にあわせてでしょうか、定期券を買い求めています。」

値上げ前に駆け込みで定期券を購入する人の姿も見られました。

■大学4年生
「知らなくて。さっき会った友だちに、『値上がりするからきょうのほうがいいよ』と言われて更新しに来た。(Q.駆け込みで?)はい。」

■会社員(30代)
「しょうがないかなと。給料上げてくれないかなと。バスは雨の日とかだけにして、晴れの日は自転車とかで行こうかなと。」

西鉄の林田社長は、19日の会見で改めて運賃値上げについて理解を求めました。

■西日本鉄道 林田浩一 社長
「ご負担をお客様にお願いすることは大変心苦しいところがあるが、乗務員不足や消費物価の上昇という状況があり、皆様の足としてのバス事業をしっかり維持していくためにはどうしても運賃改定をお願いせざるをえない。」

西鉄のバス事業は、新型コロナの感染拡大以降、赤字が続いていて、2020年度は95億円、2022年度は11億円に達しています。

バス事業を維持するための値上げですが、利用者からは切実な声も聞かれました。

福岡市早良区の「星の原団地」です。星の原団地は、天神・博多駅方面への路線バスが通っています。約2200世帯のうち3割以上が高齢者で、移動にはバスがかかせません。

■星の原団地町内会・原川輝代 会長
「年金は下がる、物の値段は上がるのに、バスの運賃も上がるので、 利用する人はすごく困っている。」

地下鉄七隈線の野芥駅から徒歩で約20分ほどの場所にある星の原団地ですが、去年3月、七隈線が博多駅まで延伸した際、並行して走るバスは平日は上下あわせて13便が減便されました。

■原川会長
「(野芥駅まで)若い人は20分ぐらいでいけるけど、私たちは30分弱かかる。 地下鉄を使うにも使いづらい。」

そして、今回西鉄バスの運賃値上げでは、天神方面は今より50円高い410円に、博多駅は60円高い500円になります。

■星の原団地の住民(70代)
「(ICカードに)チャージしているが、(500円だと)1000円入れたら1往復しか乗れない。仕事はしていないけど定期を3か月分買います。」

バスの値上げは西鉄だけにとどまりません。

九州運輸局によりますと、昨年度、九州管内で値上げを申請したバス事業者はひとつでしたが、今年度は福岡をはじめ、熊本、鹿児島など15の事業者が相次いで値上げを申請したといいます。

■九州運輸局自動車交通部・鶴田忠輝 課長
「コロナ禍を経て、各社からの申請がこれだけあるのは今までなかった。コロナ禍で収支のバランスがかなり崩れている。収支の改善を一番に考えていると思う。」

値上げの背景には燃料費や車両部品の高騰などがあります。

また、ことし4月にはドライバーの時間外労働が制限される「2024年問題」が始まり、慢性的な運転手不足に拍車がかかる恐れがあります。

■鶴田課長
「(人手確保もあり)今後について各事業者で(値上げを)申請していないところについても状況は一緒だと思うので、申請があるところもあるのかなと。」

市民の足として欠かせないバスの路線を維持するための値上げは、今後も続く可能性があります。

20日からの西鉄の路線バスの運賃です。

現在170円の初乗り運賃は福岡地区や北九州地区で今よりも40円高い210円になります。また、天神・県庁前間は20円上がり210円、天神・香椎間は50円上がり430円となります。ただし、現在、150円の割引運賃を適用している天神・博多駅などの区間は据え置かれます。

また、65歳以上を対象とした「グランドパス65」も値上げされます。例えば、3か月券は今より3000円高い1万8000円です。

一方、新たに75歳以上を対象とした「グランドパス75」が20日から販売されます。こちらの3か月券は1万4300円です。

そのほか、学生を対象とした定期券エコルカードも値上げされます。

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