福岡グルメの人気店にも影響 キャベツが値上がり 平年より4割高く 暖冬で収穫が早まり…今後の見通しは
食卓に欠かせないキャベツの高値が続き、福岡グルメの人気店でもコスト増に頭を悩ませています。旬の春キャベツをつくる生産者に話を聞くと、暖冬が大きく影響していました。
キャベツと豚のハラミをニンニクがたっぷり入った秘伝のタレに絡め、熱々の鉄板で提供する鉄板焼肉です。
■阿部まみフィールドキャスター
「いただきます。キャベツがシャキシャキで甘いです。ニンニクのきいたタレとも合って、ごはんが何杯でも進みそうです。」
ランチタイムでにぎわう福岡の人気店「びっくり亭本家」です。
■客
「バクバク食べられてごはんもなくなっちゃう。」
■客
「肉以上にキャベツが入っていて、このキャベツがやっぱりおいしい。」
看板メニューに欠かせないキャベツですが、このところ仕入れ値に変化があるといいます。
■びっくり亭本家・熊添雅将 統括マネージャー
「去年からすると一日で1000円くらい上がった。月に約3万円(の値上がり)なので、それは痛手ですね。」
この店で使う九州産キャベツの仕入れ値は、通常1ケース10キロでおよそ1200円。それが、2週間ほど前からは、1ケースあたり100円値上がりしたといいます。
店では1日に100キロほどのキャベツを使うため、1日で1000円、1か月で3万円、負担が増えることになりました。
福岡市中央卸売市場でのキャベツの価格の推移を示したグラフです。3月中旬から価格が上昇し、平年と比べて4割近く高くなっているのがわかります。
■熊添 統括マネージャー
「キャベツも季節によって結構変わる。それによって細かく毎日調整しているので、むちゃくちゃ大事なキャベツではあります。(価格を変えずに)企業努力でなんとかしようと思っています。」
なぜキャベツが値上がりしているのでしょうか。5日、春キャベツ収穫まっただ中の糸島市の生産者を訪ねました。
■キャベツ生産者・西原新太郎さん
「例年から比べるとかなり減っていますね。(Q.どれくらい減っている?)多い時に比べると(出荷量は)半分以下ぐらいにまで減っている。」
糸島市で18年間キャベツを生産している西原新太郎さん(40)は、出荷量の減少に頭を悩ませていました。
■西原さん
「暖冬の影響を考えると、11月上旬に植えた分をいま収穫しないといけないけど、そちらの分が前倒しになって、3月上旬ぐらいで切り終わってしまった。」
異例とも言える暖冬だったためキャベツが早く育ち、その分、収穫時期も予定より大幅に早まったのです。
この地域では暖冬に加え、霜による傷みも重なりました。
■西原さん
「自分たちとしては分散して安定供給をしたいが、こればかりは対応のしようがない。」
ただ、九州農政局によりますと、今後気温が上がっていくにつれ生産量は回復し、キャベツの高値は徐々に解消する見込みだということです。
キャベツの価格が上がっているということですが、ほかにも、4月の卸売価格が3月より高くなりそうな野菜があります。
要因はさまざまですが、キャベツのほかに大根、レタス、ほうれん草、ナス、ばれいしょが、3月より高くなる見通しです。
一方、青ネギ、ミニトマト、キュウリ、ピーマン、タマネギは3月より安くなると見込まれています。