来週から4月です。新年度がスタートしますが、新たな値上げの波が押し寄せています。大手製紙メーカーは4月の出荷分から、ティッシュやトイレットペーパーなどの製品を値上げします。

福岡県新宮町のドラッグストアのティッシュやトイレットペーパーの売り場には、容量の多さをうたった商品がずらりと並んでいました。

■中村安里フィールドキャスター
「これだけ商品、いろいんな種類がありますが、特に人気の商品はどちらになりますか。」

■大賀薬局 新宮三代店・増永紀子店長
「いまは2倍巻の商人が人気があります。断然2倍巻のシング ルが売れていますね。」

同じ2倍巻でも、ダブルより、長く使えるシングルタイプのトイレットペーパーが売れているといいます。

その背景にあるのは、おととし・去年に続き、ことしも紙製品の値上げが発表されたことです。大手製紙メーカーは4月から、トイレットペーパーやティッシュなどを5％から15％ほど値上げするとしています。

値上げの要因は、海外から輸入する原材料費の高止まりや人件費の上昇です。さらに、来週から始まるトラックドライバーの時間外労働の上限規制、いわゆる「2024年問題」で、物流費の上昇が見込まれているためとしています。

■市民
「節約して使います。」
「ティッシュは消費量が多いので買う頻度も高くて、家計的には安いほうが助かる。」

一方で、値上げに理解を示す人もいました。

■市民
「生産する人や販売する人からすると、生活があるんだからお互いさまということやないですかね。」

製紙工場がある福岡県豊前市では、ふるさと納税の返礼品としてトイレットペーパーを扱っています。去年4月から、寄付の件数が増えているといいます。大手メーカーの値上げの動きについて、担当者に聞きました。

■豊前市 総合政策課・森永真人さん
「今回の物価高騰の影響がどこまでくるのか細かく分析ができていませんので、動向を冷静に注視していきたいと考えております。」

日常生活に欠かせない紙製品の値上げで、家計への負担はますます大きくなりそうです。

4月からの値上げは紙類だけにとどまりません。帝国データバンクの調査では、ハムやソーセージなどを中心におよそ2800品目の食品が値上げするということです。

要因としては、円安の長期化による輸入コストや2024年問題に関連した物流費の増加、そして賃上げによる人件費の増加も挙げられていて、今後も値上げの動きは続く見通しです。