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国立公園に高級リゾートホテル誘致の政府方針 富山県内の反応は

2024年7月19日 21:24
国立公園に高級リゾートホテル誘致の政府方針 富山県内の反応は

訪日外国人観光客が過去最多を更新する中、都市部に集中する観光客を地方へ誘おうと、政府は全国の国立公園に高級リゾートホテルなどを誘致する方針を19日に示しました。

富山県には中部山岳国立公園があり、立山や黒部峡谷などが含まれています。 国立公園は、自然保護のため建物の新築や増改築は厳しく規制されていますが、その自然を有効利用することも進めていく、ということになります。

この政府の方針に県内からは「地元への効果は限定的」「安易な開発は危険」などの声があがりました。

岸田首相「全国35ヶ所の全ての国立公園において、世界水準のナショナルパーク化を実現すべく、民間活用による魅力向上事業を実施してください」

政府は19日の観光立国推進閣僚会議で、中部山岳国立公園など全国35の国立公園に高級リゾートホテルを誘致するなどし、地域の魅力向上を進める方針を示しました。

背景にあるのは外国人観光客の急増です。今年上半期の訪日外国人は1770万人を超え、コロナ禍前を上回って過去最高となりました。

しかし、旅行先は東京や大阪などの都市部に偏っているのが現状で、政府は外国人観光客の地方滞在を後押ししたい考えです。

北陸の経済に詳しい専門家は、もし外資企業がリゾート開発するのであれば、地元への経済効果は限定的と指摘します。

北陸経済研究所 藤沢和弘部長「人が来ても、地域としては雇用しか生まれない。もちろん富山県は製造業が強くて、ここに観光みたいなサービス産業が発展していくと非常にバランスがよくなって、女性活躍の場もできるのはすごく理解はできるんですけれども。少なくとも地元資本、地元主導であってほしい。そうじゃないと、本当にうまくいって人が来てもそこの地域にお金が落ちないですから」

一方、黒部峡谷で山小屋を経営する佐々木泉さんは、安易なリゾート誘致は環境破壊や山岳事故を招くと警鐘を鳴らしています。

阿曽原温泉小屋 佐々木泉さん「たくさんの人に来ていただきたい、それは大賛成なんですけども、簡単にぽんぽんと進む話でもないかなと心配しています」

佐々木さんは長年、登山道の整備や遭難救助に携わっていて、最近は、外国人観光客の無謀な行動が目立つといいます。

阿曽原温泉小屋 佐々木泉さん「なんだかんだいって、安全に家に帰ってもらわんなん、山もきれいなまま残しとかんなん、この2つを守りながら利用していくということをいろいろ知恵出して工夫して考えていってもらいたいなと」

政府は地域の理解や環境保全を前提に、2031年までに進めていくとしています。

中部山岳国立公園内にある県内のホテルではリゾート開発の動きが始まっています。立山黒部貫光は今年3月、経営していたホテル立山をホテルや旅館を全国展開する星野リゾートへ売却しました。

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