温州ミカン輸出で「産地リレー」の体制作る 日南市の企業が農水省輸出国際局長賞を受賞
宮崎県日南市に農園がある企業が、農林水産省の輸出・国際局長賞を受賞しました。
この会社、台湾などに温州みかんを輸出しています。作付け面積が減少する中、産地をつないで輸出し、ミカンを産業として活性化させたことが受賞につながりました。
温州ミカンの木の剪定を指導するのは、ミカンの生産や販売を手がける田中伸佳さん。田中さんは日南市のミカン農家の3代目です。
(ネイバーフッド 田中伸佳代表)
「今年のために剪定するんじゃなくて、来年のことも考えて剪定したりしないといけないから大事な仕事です。」
田中さんは輸出に取り組む優良事業者として、今年度の農林水産省の輸出・国際局長賞を受賞しました。
生産地によって収穫時期が違う温州みかんを、旬を迎えるタイミングで出荷する「産地リレー」の体制をつくり、台湾や香港などに輸出、加工品ではなくフレッシュなミカンの輸出でミカン産業の活性化につなげたことが評価されました。
(ネイバーフッド 田中伸佳代表)
「素直にこれまでやってきたことを評価されたのはすごくうれしいですし、今回、局長賞なので、もう一つ上の大臣賞を狙って今後とも頑張りたい。」
田中さんが輸出に目を向けるようになったのは、県が推進したフードビジネス事業がきっかけです。台湾の人々と交流を深め、2014年に海外輸出への挑戦を始めました。
(ネイバーフッド 田中伸佳代表)
「ただ市場におろすだけじゃなくて、自分で販売をやってみたいなと思って。販売した時にどこも宮崎県産を扱っていて、差別化できてますかって聞かれても、なかなかちゃんと真面目に作っているだけですって答えることしかできなくて。じゃあ輸出だったら誰もそんなにチャレンジしていないし、差別化して国内の販売も強くなれるかなと思って、そういったのがきっかけですね。」
傷みにくい輸出向きの品種を選んで品質管理を強化し、廃棄ロスを改。、県外との産地リレーで2023年度には輸出量は70トン、輸出額は3000万円に。今は熊本、佐賀、和歌山、静岡の8軒の農家と連携し、輸出のノウハウを共有しています。
(ネイバーフッド 田中伸佳代表)
「こういう所があってよかったという状況を僕は作りたいというのがあるので、それで信頼関係が年々積み上がっているのかなって最近感じます。」
ミカンの収穫時期は、宮崎・九州各県が10月から12月、和歌山は11月から1月と切れ目なく収穫して輸出を目指します。
こちらは高価格帯の果汁100%のジュース。加工することで長く販売でき、年間を通じた売り上げの増加も目指します。
(ネイバーフッド 田中伸佳代表)
「ミカンは好きだけど農業が好きかっていうと、なんか最近やっと面白くなってきたかなって感じで。産地リレー先からもっと連携した事業が出来るように、輸出とか加工とか絡めていけるように、もっと規模を大きくできたらなと思っています。出来るだけいろんな人と協力していい関係でお互いに産業を盛り上げていける事業にしていきたいなっていうのがあります。」
「いいよね」と思われる農業をフレッシュな果物の輸出で実現しようとしている田中さん。これからも産地をつないでミカンを輸出し、ミカンの産業化を目指します。