最大震度5弱の地震 注意点と今後の備え
1月13日に県内で発生した最大震度5弱の地震について、今後の注意点などを京都大学防災研究所 宮崎観測所の山下裕亮助教に伺いました。
過去の地震との比較
去年8月には日南市で震度6弱の地震が観測されました。
今回の揺れは約30秒間の揺れが続き、前回の地震より長いものでした。
山下助教は、「大きな地震ほど揺れが長くなる」と説明。
南海トラフ地震の場合、揺れが2~3分続く可能性があり、確かな備えが必要だと話しました。
情報の変更が相次いだ点について
今回は、地震直後の「津波の心配なし」という発表の10分後に「津波注意報」に変更。
またマグニチュードについても変更が相次いだ点について、山下助教は、「初期情報は誤差が大きい。沿岸部の方は初期の情報で油断しないことが大切」とする一方、「大津波の場合は、津波の心配なし→大津波警報への発表の変更が起きることは考えにくい」と話しました。
余震についても、「地震後に余震が続くのは自然な現象」とし、有感地震が続く可能性があることに備えるべきと話します。
今回の震源域は、2024年8月の地震でずれた断層(写真ピンク部分)の北側に位置しており、過去の断層活動と関連があることが判明しました。
1996年には今回の近くのエリア(写真グレー部分)でマグニチュード7クラスの地震が発生しており、今回は再びこのエリアの断層を破壊したと見られています。
今回の地震である程度のエネルギーを解消した可能性はありますが、全部解消したのか、まだ残っているかどうかは分析中で、再び同程度の地震が起こる可能性があるという心構えが必要だと警鐘を鳴らします。
南海トラフ地震との関連
今回の地震は南海トラフ地震とは直接関係がありませんが、政府地震調査委員会は30年以内の発生確率を「80%程度」に引き上げました。
山下助教は、「時間の経過とともに発生確率は上がるもの」とし、今後、南海トラフ地震は確実に起きるので、常に備えておく必要性を強調しました。
視聴者からの質問 1:小さな地震で大地震を防げないのか?
地震のエネルギーは小さな地震で解放されるわけではなく、大きな地震は避けられない。
視聴者からの質問 2:去年8月・今年1月と強い地震が続いたのは大地震の予兆では?
日向灘地域の地震活動として数十年ごとに繰り返すものなので、大地震の予兆というふうには見る必要はない。
南海トラフ地震はいずれ必ず起こりますので常に備えておくことが重要。
南海トラフ地震をはじめ、いつどこで大地震が起きても不思議ではない状況です。
日頃から避難経路や備蓄品の確認を徹底し、気負わずに継続的に備えをしておくことが大切です。