東北初の県境をまたいだ広域地方銀行誕生へ 荘内銀行(鶴岡市)と北都銀行(秋田市)が合併方針
山形県鶴岡市の荘内銀行と秋田市の北都銀行が25日、合併する方針を発表しました。2026年度の合併を予定し、東北で初めて県境をまたいだ広域の地方銀行が誕生することになります。
荘内銀行、北都銀行、それに、両銀行を傘下に持つフィデアホールディングスの3者は25日午後、仙台市で会見を開き、合併に向けた意義を説明しました。
フィデアホールディングス新野正博社長「少子高齢化に伴う生産年齢人口が減少し、事業者数の減少も継続している。持続可能な地域社会の実現に今後も貢献し続けるためには、経営資源を一層効率化し、もう一段踏み込んだ統合、シナジー効果を発揮していくことが必要不可欠」
荘内・北都両銀行の合併に向けた方針は25日午前に開かれたそれぞれの取締役会で決議されました。合併は2026年度中を予定し、新しい銀行の名称でスタートする見込みです。合併が実現すれば、東北で初めて、県境をまたいだ広域の地方銀行が誕生することになります。
町田睿頭取(当時)「前々から経営統合については私どもの夢だった」
荘内銀行と北都銀行の合併を巡っては2008年、本部機能の集約などを図る経営統合を実現しました。持ち株会社「フィデアホールディングス」を設立した一方で、各銀行の名称は維持したまま、それぞれの営業地盤で事業を展開してきました。
示された内容は2つの銀行を1行に集約し、資金やシステムなどを含めて一体化する「合併」です。
荘内銀行 松田正彦頭取「合併に向けた協議の開始について、荘内・北都両行が名実ともに一つになれば、各行が持っている経験値や強味をもう一段深いところで融合するとともに、もっと高い所で化学反応を起こすものと期待している」
タッグを組むことで生まれるスケールメリットの拡大も期待されます。
帝国データバンクによりますとメインバンクとする企業数は県内では山形銀行が5656社でトップ、荘内銀行は3029社で3番目となっています。一方、秋田県では秋田銀行が6202社で最も多く、北都銀行が3513社と続きます。荘内・北都の両銀行が合併すれば、メインバンクとする企業の数は2つの県合わせて6500社を超え、スケールとしてはそれぞれの県の第1地銀を上回る見込みです。
フィデアホールディングス新野正博社長「私たちは合併による効率化効果を営業体力の捻出、投資力の充実、両行の強みの融合、グループシナジーの最大化などより前向きで積極的な観点から活用するために合併を協議していきたい」
今後は荘内・北都両銀行の基本合意を経て、合併準備委員会等による協議で新しい銀行の名称や本店の所在地などの詳細を決めていくということです。