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優先株の配当見送りで「じもとHD」が実質的に国の管理下に 国の議決権発生は地銀で2例目

2024年5月20日 18:01
優先株の配当見送りで「じもとHD」が実質的に国の管理下に 国の議決権発生は地銀で2例目

きらやか銀行と仙台銀行を傘下に持つ「じもとホールディングス」が、実質的に国の管理下に入る見通しとなったことがわかりました。公的資金注入に伴い国が保有する優先株に、過半数の議決権が発生するためで、6月下旬にも事実上の国有化状態に置かれることになります。

きらやか銀行を傘下に持つじもとホールディングスによりますと、去年9月、金融庁から180億円の公的資金の注入を受けたことに伴い、国に対して優先株を発行しました。
通常、優先株は配当を優先的に受け取る代わりに議決権が発生しないものです。
しかし、じもとホールディングスはきらやか銀行の昨年度の決算が過去最大の大幅赤字となったことを受け、6月下旬に開かれる株主総会で、優先株の配当を見送る方針です。そのため、6月の株主総会で配当が行われない場合、金融庁が議決権63%を得ることになり、じもとホールディングスが実質的に国の管理下に置かれる状態となる見通しです。じもとホールディングスはことし9月に返済期限を迎える公的資金200億円の返済について期限の延長を金融庁に要請しています。
こうした返済などを巡り、今後、金融庁が人事や資本運用といった経営面に関与する可能性があるとみられています。
金融庁によりますと、優先株の過半数を得て国に議決権が発生したケースは、地銀では2012年の仙台銀行に続き過去2例目だということです。金融庁はじもとホールディングスに対しことし9月末を目途に経営強化計画の作成を求め、その後、審議会で議論し黒字化に向け協議していくとしています。
一方、優先株は配当を実施すれば議決権がなくなることから、じもとホールディングスは「将来的には議決権を戻すために配当を出せるよう、国と協議を進めながらきらやか銀行の黒字化を目指していく」とコメントしています。また、顧客への影響については「現在のところ想定されない」としています。

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