韓国の尹錫悦大統領は15日、ソウルを訪問しているIAEA（＝国際原子力機関）のグロッシ事務局長と会談し、福島第一原発の処理水の海洋放出について懸念を伝えました。

韓国大統領府によりますと、会談で尹大統領は、福島第一原発の処理水の海洋放出について懸念を伝えた上で、IAEAに科学的な検証を求めました。グロッシ事務局長は全ての工程で資料を公開するなどして、韓国側と緊密に意思疎通を行うと応じたということです。

また、グロッシ事務局長は朴振外相とも会談し、北朝鮮の核をめぐる活動について「緊密にモニタリングし、検証のためIAEAの能力を強化していく」と述べました。

一方、朴外相は「IAEAと協力し、北朝鮮の完全な非核化を持続的に推進する」との考えを示しています。IAEAトップが韓国を訪問するのはおよそ5年ぶりのことで、北朝鮮の核問題や原発の処理水などをめぐって連携を強める狙いがあるものとみられます。