北朝鮮は金正恩総書記立ち会いのもと、超大型ロケット砲の一斉射撃訓練を18日に行ったと明らかにしました。そして、金正恩氏の娘・ジュエ氏が後継者となる可能性が高まったとの指摘も出ています。そのワケは…。

19日、朝鮮中央テレビで放送されたのは、金正恩総書記立ち会いのもとに行われた超大型ロケット砲の一斉射撃訓練です。

アナウンサー
「戦闘員たちは誇りを一挙に発散させ、一斉に壊滅の砲門を開いた！」

18日、日本海にむけて発射された短距離弾道ミサイルのことだとみられます。その様子に、金総書記はガッツポーズ。訓練に“大きな満足”の意を示したといいます。

放送の中で、繰り返して使われた北朝鮮の「砲兵の歌」。

（砲兵の歌より）
「最高司令官は私たちを呼んだ」

いま、その最高司令官を巡って“ある変化”が――

16日、金総書記が式典に参加する様子が伝えられました。その隣にいたのは、ジュエ氏とみられる娘です。この日の放送をきっかけに“金総書記の後継者がジュエ氏なのでは？”という臆測が広がっています。その根拠となったのが、アナウンサーが2人に対して発した“ある言葉”です。

アナウンサー（朝鮮中央テレビ、16日）
「 “嚮導”の“偉大”な方々が、党や政府・軍部の幹部たちと温室農場を見て回られた」

「嚮導（きょうどう）」は「人々の先頭に立って導く」という意味の言葉です。アナウンサーが発した「嚮導」について…

北朝鮮政治が専門　慶応義塾大学　礒崎敦仁教授
「（朝鮮労働党では）最高指導者が主語になって使われる用語だった。それを若い娘に対して付けたのは、かなり踏み込んでいるように思う」

ただ「嚮導」という言葉、数時間後の同じニュースでは使われなくなりました。

専門家は「金正恩氏の娘をどのように宣伝していくか調整中。ただ現段階では娘が後継者と見ていいだろう」と指摘しています。

（3月19日放送『news zero』より）