エリザベス女王“即位70年”を祝う「プラチナ・ジュビリー」 バッキンガム宮殿周辺でパレードも
イギリスで6月2日、エリザベス女王の即位70年を記念する祝賀行事「プラチナ・ジュビリー」が行われます。「プラチナ・ジュビリー」が行われるのはイギリス史上初めてで、街はお祝いムードに包まれています。
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イギリスの首都ロンドン、町のシンボルバッキンガム宮殿の前では、パレードなどの記念式典に向けた準備が着々と進められていました。
今年、エリザベス女王は即位70年を迎えました。バッキンガム宮殿周辺で、200人以上の騎馬隊と数百人の軍楽隊による祝賀パレードが開かれます。健康状態を考慮してか、女王はパレードには参加せず、宮殿にとどまる予定ですが、4日間にわたり祝賀行事は続きます。
2012年に行われた即位60年の記念式典、ダイヤモンド・ジュビリーでは水上パレードが行われ、招待を受けた日本の天皇皇后両陛下も記念の晩餐会などに出席されました。
即位70年を祝う今回の「プラチナ・ジュビリー」はイギリス史上初めてで、今回は泊まり込みで場所取りをする女性の姿もありました。
王室ファンの女性
「昨夜11時にここに着きました。(最終日の)5日までここにいるつもりです。全てを見たいんです」
エリザベス女王は1952年に即位し、在位70年はイギリスの歴代君主の中で最長です。
ロンドン市民
「女王は非凡な女性です。イギリス人であることを誇りに思います」
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こうした中、ロンドンでは街の至る所に飾り付けが施されています。
さらに期間限定のサービスも登場。車内を改装したロンドン名物の2階建てバスでは、女王の即位70年を祝う限定デザインのカップで、イギリス伝統のアフタヌーンティーを楽しむことができます。カップはふた付きで、飲み物がこぼれるのを防ぐ工夫もされていました。
ガイド
「車内は揺れますが、そのステキなカップはお持ち帰りいただけます」
ロンドンの観光名所を1時間ほどかけて回り、景色を眺めながらゆったりとした時間を過ごせます。
お客さんの反応も上々でした。
「(店で飲むより)バスの中の方がいいですね。素晴らしいです」
こちらのバスは、来月末まで営業しています。
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お祝いムードに包まれるイギリス。ただ、王室をめぐっては近年明るいニュースばかりではありませんでした。
2020年1月、ヘンリー王子とメーガン妃が王室離脱を宣言。その後、テレビ番組のインタビューで、メーガン妃が「人種差別的な扱いを受けた」と暴露し、衝撃が走りました。さらに女王の二男、アンドルー王子は未成年への性的暴行疑惑により、今年1月以降、一切の公務から退いています。
常に国民の目を意識してきたエリザベス女王。今回、ヘンリー王子夫妻とアンドルー王子のパレードへの参加を認めませんでした。
王室を取り巻く現状について、英・ミラー紙王室専門記者のラッセル・マイヤーズ氏は「スキャンダルを受けて、王室は揺らいでいます。王室がイギリス国民とのつながりを維持するためには、着手しなければならない課題があります」と指摘しました。
女王イギリス王室は、今後も国民から敬愛を受け続けることができるのでしょうか。