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イラン大使、IAEA報告書に反論

2010年6月5日 12:57

 国際原子力機関(IAEA)・天野事務局長が最新の報告書でイランの核開発に強い懸念を示したことについて、イランのIAEA大使は3日、NNNの取材に対し、「バランスを欠き、対立を深めるだけだ」と反論、非難した。

 イラン・ソルタニエIAEA大使は「『(国連安保理の)決議だから従うべき』と言われたら、我々は絶対に従わない。天野事務局長はそれを理解すべきです」「『イランは協力していない』とか、『決議に反して』と書くことは、我々との対立を招くだけです」と述べ、天野事務局長が報告書の中で「イランが高い濃度でウラン濃縮を続けている」と指摘し、国連安全保障理事会の決議などに従うよう求めたことについて、「国連決議には法的根拠がなく、従う義務はない」と強く反発した。

 アメリカなど西側諸国はイランが国連の決議を独自の解釈で無視し続けているとして、安保理での追加制裁に向けた動きを加速させている。また、オーストリア・ウィーンでは7日から、イランの核問題を焦点にIAEAの理事会が開かれる。