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イラン核開発疑惑の解明進展なし IAEA

2014年9月6日 14:50

 IAEA(=国際原子力機関)は5日、イランの核開発問題に関する報告書をまとめた。「核活動の縮小は欧米などとの合意通り実施されている」と評価する一方で、核兵器開発の疑惑の解明についてはほとんど進展がないと指摘している。

 報告書によると、核兵器に転用される恐れがある20%の高濃縮ウランは、8月17日までに、その全てが薄められるか再濃縮しづらい酸化ウランに変えられた。一方で、核爆弾の起爆実験などを行ったとされる疑惑の解明については、IAEAと合意した調査協力を期限が過ぎても実施していないと指摘している。

 IAEAの天野事務局長は8月17日、イランでロウハニ大統領らと会談し、「イランの問題解決への姿勢を確認した」と述べたが、その後イランはIAEAに対し、「IAEAが解明したいとする事項はほとんどがでっち上げで、検討するに値しない」と書面で回答してきたという。

 イランと欧米など6か国は、18日から核問題の最終解決に向けた協議をアメリカのニューヨークで再開するが、イランがこうした非協力的な対応を続ければ協議はさらに難航することになりそう。