×

ビンラディン容疑者潜伏の邸宅を取材

2011年5月4日 8:15

 アメリカによって殺害された国際テロ組織「アルカイダ」のウサマ・ビンラディン容疑者が潜伏していたパキスタン・アボタバードの邸宅を、山下雄三記者が取材した。

 ビンラディン容疑者の隠れ家は、3日午後に周辺の規制が解かれ、塀の外からその様子をうかがうことができた。一見、損傷はないようだが、2階のベランダ部分の窓ガラスが激しく割れていた。

 畑が広がるのどかな景色の中にある隠れ家は、有刺鉄線付きの高い塀に囲まれている。しかし、周囲に同じような規模の住宅も多いため、近所の人たちは特別注意を払っていなかったようだ。

 ビンラディン容疑者の殺害は、パキスタンにとっては新たな火種となりつつある。「パキスタン・タリバン運動」は、政府や軍を標的とした報復テロを宣言した。実際に爆弾テロが起きるなど、治安悪化のおそれが出てきている。

 一方で、アボタバードが首都・イスラマバードの目と鼻の先にあり、軍の施設も多いことから、アメリカ政府や議員の一部から「なぜここに潜伏できたのか」と、パキスタンの関与を疑う指摘を受けてもいる。ビンラディン容疑者の殺害をきっかけに、パキスタン政府は国内外で対応の難しい問題に直面しようとしている。