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215万円の賠償額提示 中国高速鉄道事故

2011年7月27日 8:20
215万円の賠償額提示 中国高速鉄道事故

 39人が死亡した中国の高速鉄道の追突事故で、犠牲者の遺族に対し、政府が約215万円の賠償額を提示したことがわかった。

 遺族たちは事故があった中国・温州市内のホテルで、鉄道省上海鉄道局の担当者と面会した。遺族によると、鉄道局側は、一人あたり17万2000元(約215万円)の賠償額を提示した。

 中国国営・新華社は、福建省に住む遺族との間で50万元(約625万円)の賠償額で合意したと伝えているが、取材をした遺族たちは、そのような事実は知らないと反発している。

 車両の撤去作業がほぼ終わる一方で、事故原因は明らかになっていない。こうした中、中国・北京の地元紙「新京報」は「国民の信頼を取り戻すには、事故の後始末から始めなくてはならない」として、事故原因の徹底追及を求めている。

 中国メディアの関係者によると、責任追及を懸念する政府当局は、各メディアに対し、独自の報道を控えるように指示をしている。それにもかかわらず、事故対応への政府批判が広がるという異例の展開となっている。