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宇宙実験機「天宮1号」打ち上げ成功 中国

2011年9月30日 9:31

 中国は29日、独自の宇宙ステーション建設への第一歩となる無人宇宙実験機「天宮1号」の打ち上げに成功した。

 29日夜に打ち上げられた天宮1号は予定の軌道に乗り、打ち上げは成功した。中国政府は20年をメドに独自の宇宙ステーション建設を目指している。天宮1号は、その第1段階となるドッキングの実験や、船内での科学実験を行う予定。

 中国政府は、今後2年以内に無人宇宙船や中国初の女性飛行士が搭乗する有人宇宙船など計3機を打ち上げる計画で、アメリカとロシアに続く宇宙大国の地位確立に向け、着々と開発を進めている。

 中国メディアは、打ち上げの数日前から準備のもようを大きく報道した。国営テレビは、胡錦濤国家主席や温家宝首相ら中国指導部が見守った打ち上げのもようを生中継した。中国国内では、相次ぐ鉄道事故の発生など中国の科学技術への不信が高まっている。来月1日の建国記念日を控え、中国政府は宇宙開発の成功を国威発揚につなげる狙いがあるとみられる。

 一方、国際社会からはこうした宇宙開発が軍事利用につながることへの懸念が広がっている。中国政府は平和目的だとして脅威論を否定しているが、宇宙でも存在感を増す中国への警戒感は高まりそうだ。