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豪華客船座礁 邦人乗客「パニックだった」

2012年1月15日 12:25

 地中海の島々をめぐる豪華客船が13日、イタリア沖で座礁し、少なくとも3人が死亡した事故で、日本人乗客が「パニックだった」などと当時の状況を証言した。また、船が航路を大きく外れていた可能性があることもわかった。

 乗客・乗員計約4200人を乗せた「コスタ・コンコルディア号」は13日夜、出航してから約3時間後に座礁した。現地の報道によると、パニックで海に飛び込むなどしてこれまでに少なくとも3人が死亡、40人以上の安否が確認されていない。

 客船に乗っていた日本人43人は全員の無事が確認された。中には新婚旅行の途中で巻き込まれ、避難の様子を記録していた夫婦もいた。日本人乗客は「机の上に置いていたもの全て落ちるくらいかなりの勢いで傾いた。パニック状態。脱出するための救命ボートだが、ちょっと死を覚悟した瞬間でもあった」と話した。

 事故原因はまだ明らかになっていないが、現地の報道では船が本来の航路よりも陸地に近い浅瀬を航行していたと伝えており、乗客もおかしいと感じたと話している。さらに、複数の乗客が出港後一度も避難訓練が行われていなかったと証言している。

 警察当局は14日、船長の身柄を拘束しており、今後詳しい事故原因の究明が進められることになる。