中国共産党大会まで1週間 きょうから重要会議 習主席の権威さらに高める案など審議か 市民への統制強化も
中国共産党大会を1週間後に控え、9日から議案を審議する重要会議が始まります。習近平国家主席の権威強化が進むなか、市民への統制が強まっています。
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記者「党大会を前に天安門広場には大きな飾りもつけられています。準備は着々と進んでいます」
9日から始まる共産党の重要会議「7中全会」では、党大会にかける議案が審議される見通しで、党の最高規則である「党規約」を改正し、習氏の権威をさらに高める案なども審議されるとみられます。
続投も見据えた習氏の権威強化には異論もくすぶっていますが、中国当局は言論統制を強めています。
先月、元人権派弁護士の王全璋さんが外出したときの映像では…
王全璋さんの妻・李文足さん「あなたたちは誰なの?なぜ私たちを止めるの?」
王さんはアメリカ大使館で開かれるイベントに出席する予定でしたが、地下鉄の駅で突然現れた集団に行く手を阻まれました。
李文足さん「なんで行けないの?」
当局者とみられる男性「ある人から君たちにお金を貸していると通報があったから」
移動の自由を奪うため、「借金の取り立て」というありもしない話を持ち出します。結局、講演は断念に追い込まれました。
習政権は王さんたちのような人権活動家への監視を強めてきましたが、最近はその手法もさらに巧妙になってきたといいます。
人権派元弁護士・王全璋さん「監視方法の一つはビッグデータ。身分証明書で地下鉄切符を買うとすぐ我々の行方を当局が把握する」
王さん自身も人権派弁護士として活動していた2015年から4年半にわたり収監されました。
しかし当時より当局による市民への圧力は強まっていると感じています。
王さん「中国当局はすべてを統治しようとしている。すべての不調和な声、反対の声を取り除こうとしている」
党大会を経て、一切の異論を封じるという中国当局の姿勢は、さらに先鋭化しそうです。