【米大統領選】ハリケーンが勝敗を左右か…投票率下がるとハリス氏不利 来月5日投開票
いよいよ投開票日まで2週間を切ったアメリカ大統領選挙。ハリス副大統領とトランプ前大統領が接戦を繰り広げています。その結果に大きな影響を与えると注目されているのが、9月に激戦州・ノースカロライナ州を襲ったハリケーン「ヘリーン」です。
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11月5日が投開票日のアメリカ大統領選挙。勝敗を決める激戦7州の支持率は、共和党候補のトランプ氏が民主党候補のハリス氏をリードしていますが、その差は全て2.5ポイント以内という大接戦となっています。
激戦州の一つ、ノースカロライナ州。先月上陸したハリケーン「ヘリーン」により、96人が犠牲となった最大の被災地です。
末岡寛雄記者(NNNスワンナノア)
「ハリケーンの上陸からまもなく1か月を迎えますが、現場にはいまだ爪痕が残されていて、ボランティアの方による復旧作業が続けられています」
被災地に乗り込み、「自身が大統領になればより復興が進む」とアピールを強めているのがトランプ氏です。
共和党候補 トランプ氏(ノースカロライナ州、21日)
「私が大統領になったあかつきには、完全に再建されるまでみなさんを支え続けます」
トランプ氏に期待する被災者のダニエルさん。増水した川があふれ、家族や親戚、友人など10人以上で住んでいた、住宅14棟が全て流されたといいます。
ハリケーンで被災 ダニエルさん
「一番必要なものは家です。トランプ氏が勝てば物価や金利は下がって、誰でも家を買ったり借りたりできるようになると期待しています」
最新の世論調査では、勝敗を占うノースカロライナ州の支持率の差はわずか0.5ポイント。
ノースカロライナ州で先週から始まった期日前投票ですが、被害が大きかった自治体では期日前投票所14か所のうち4か所が、スタッフが確保できないなどの理由で、閉鎖されています。
地元当局は別の投票所で投票できるようにするなど対応をとっていますが、ニューヨーク・タイムズは、被害が大きかった地域は民主党支持者が多いため、投票率が低くなると、選挙結果に決定的な影響を及ぼす可能性があると分析しています。
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被災地での支持拡大のため「復興予算が不法移民のため使われている」などと、虚偽の主張も交えるトランプ氏に、ハリス氏は猛反発。
民主党候補 ハリス氏(7日)
「(トランプ氏が)特にハリケーンの生存者に対し、多くの誤った情報や不正確な情報を流しています」
政府機関は、トランプ氏の主張などについて事実を説明するためのウェブページを立ち上げ、虚偽の情報に惑わされないよう注意を呼びかけています。
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期日前投票を終えた民主党支持者
「気候危機に優先して取り組み、災害対応に予算を充てる民主党を支持します」
期日前投票を終えた共和党支持者
「(トランプ氏による)被災地支援のための、より多くの予算を期待します」
甚大な被害をもたらしたハリケーン「ヘリーン」。大統領選挙の行方にどう影響するのでしょうか。