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IAEA事務局長「情報伝達で改善を」

2012年3月11日 8:36

 福島第一原発事故から1年にあたり、IAEA(=国際原子力機関)の天野事務局長が10日、NNNの単独インタビューに応じ、原子力の安全性は高まったとの認識を示すとともに、情報伝達には改善が必要だと強調した。

 天野氏は、福島第一原発事故を振り返り、天災だけでなく、津波を過小評価していたことなど、人災の側面も数多くあったと指摘した。一方で、「問題があったということがわかったのはポジティブないい点で、問題がわかれば、それに対する対応策ができるわけだから、そういう意味で福島第一(原発)の事故前に比べて原子力は安全になっている」と述べ、事故の教訓を生かして原子力の安全性は高まったとの認識を示した。

 また、「(福島第一原発事故では)情報の流れが十分でなかったと、最初から感じていた。日頃からもっと準備して、国内的、国際的にも、事故の際に情報を流す備え、訓練をしておく必要がある」と述べて、情報伝達の重要性を挙げ、今後、改善に向けて取り組んでいく考えを明らかにした。

 天野氏は、IAEAとして引き続き日本への支援を行い、最終的には原子炉の解体に至るまで、長期的に協力していくつもりだとの考えを示した。