北朝鮮「核強国へ加速」 韓国を“敵対視”…高まる緊張“白いポール”のナゾも…【バンキシャ!】
北朝鮮は挑発的な発言を繰り返し「核強国へ向かう我々の歩みはさらに加速する」と強調しました。韓国へ取材に入った「バンキシャ!」のカメラが捉えたのは、北朝鮮に立ち並ぶ巨大な白いポール。いったい何のために使われるものなのか? 北朝鮮の狙いとは?【バンキシャ!】
◇
11日、バンキシャは韓国へ。南北軍事境界線近くの坡州(パジュ)市。
バンキシャ!
「遠くに見えている土地が北朝鮮です」
取材をしていると…
バンキシャ!
「何か聞こえてきますね」
♪あぁ、あなたはいつも涙を隠しているのだろうか――
聞こえてきたのは韓国の歌謡曲。韓国が北朝鮮に向けて行っている、いわゆる「宣伝放送」だ。
一方、市民は、北朝鮮側からこんな音を聞いていた。
坡州市民
「オオカミの鳴き声のような、お化けのような音がうるさくなっているので不快です」
その不快な音を2日前の10日、スマホで撮影したという人に出会った。北朝鮮の目と鼻の先にある統一村の村長、李 腕培(イ・ワンベ)さん。音を聞かせてもらうと…
不快なノイズ音が大音量で流れているのがわかる。ほぼ毎日、20時間鳴り響くという。
統一村の村長 李 腕培さん
「北朝鮮はお化けのような放送を流しています。住民たちは苦しんでいます。ノイローゼになっている」
長く続く、南北の対抗措置の応酬。さらに今、北朝鮮側に新たな動きが出ているという。
統一村の村長 李 腕培さん
「状況が悪化すると韓国軍から真っ先に私に連絡が入るんです。昨日(9日)も連絡がありました。『北朝鮮の軍人たちが、韓国とつながっている道を切断しようとして境界線近くまでやってきた」という連絡だったんです」
***
9日、水曜日。北朝鮮は、韓国を「不変の敵」と位置づけ、南北をつなぐ道路と鉄道を完全に遮断。要塞化するための工事を行うと発表した。(朝鮮中央通信より)
これは2024年6月に北朝鮮内をとらえた写真。ロイター通信によると壁を建設している様子だという。要塞化は進んでいるのだろうか?
バンキシャ!が目にしたのは・・・
バンキシャ!
「白いポールがいっぱい見えます」
10日、北朝鮮で行われた朝鮮労働党の創建79年祝賀式典。そこには金正恩総書記とジュエ氏とみられる娘の姿が。
アナウンサー(朝鮮中央テレビ)
「敬愛する金正恩同志は行事に満足を表して、出演者と観覧者たちに温かい答礼を送りました」
宴会では満面の笑みを浮かべていた金総書記。この3日前には…
金総書記(8日付/労働新聞より)
「朝鮮半島の力のバランスが崩れる危険性があり、均衡が破壊されることはすなわち戦争を意味する。軍事超強国、核強国へ向かう我々の歩みはさらに加速する」
などと発言したという。核戦力をちらつかせ、緊張感が高まる。
9日には、韓国を敵とし要塞化を発表した北朝鮮。いま、何が起きているのか?
***
バンキシャ!は、北朝鮮をのぞむ軍事境界線付近の展望台へ。2キロ先が北朝鮮。
バンキシャ!
「田んぼの中に人影が見えます」
農作業をしているのだろうか。しかし、その近くを見てみると、韓国側に向けられた巨大なスピーカーのようなものがあった。
バンキシャ!
「音がすごいですね。なんか飛行機がずっと飛んでいるみたいな」
騒音はおよそ1時間、一帯に響きわたっていた。
さらに、バンキシャ!が見つけたのは…
バンキシャ!
「白いポールがいっぱい見えます。何のためのポールなんだろう」
別の場所でも…
バンキシャ!
「目の前の丘にポールがたくさん立っているのが見えます」
韓国メディアによると、8月には確認されていなかった場所にも白いポールが立っていたという。これはいったい…?
軍事境界線付近の分析を行う、韓国の研究機関に映像を見てもらった。
韓半島安保戦略研究院 映像分析センター長 鄭 聖鶴(チョン・ソンハク)さん
「鉄条網を設置するのだと思います」
鉄条網を張り巡らせるためのポールだという。
さらに…見せてくれたのは、9月3日と10月9日の衛星画像。9日は先月に比べ、茶色の道が延びているように見える。
韓半島安保戦略研究院 鄭 聖鶴さん
「最近の画像を見ると1.5キロメートルほど工事をしています。ここにも鉄条網ができると思います」
今後、鉄条網をより広範囲に延ばしていくと分析。その理由は?
鄭 聖鶴さん
「脱北を防止するというのが大きな目的だと思います」
11日、北朝鮮は「韓国が平壌に無人機を侵入させビラを飛ばした」と主張。そのビラには韓国と北朝鮮の所得格差について書かれていた。(朝鮮中央通信HPより)
韓国政府は「事実の有無を確認できない」としているが…
金総書記の妹・与正(ヨジョン)氏は「韓国軍が直接実行したか、積極的な黙認のもと主権侵害の挑発が行われた」と強調した。
専門家は…
慶応義塾大学 礒﨑 敦仁教授
「(北朝鮮は)韓国に対しては、外国なんだから干渉するなと。北朝鮮の自国民に対しては、韓国は外国なんだから文化に接しても仕方がないわけだし、憧れをもっても仕方がない、敵対国なんだからそんなものに触れるなということですよね」
礒﨑 敦仁教授
「自分たちの体制を守ることの方が重要であって、そのためには要塞化をする壁をつくるという動きです」
*10月13日放送「真相報道バンキシャ!」より
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11日、バンキシャは韓国へ。南北軍事境界線近くの坡州(パジュ)市。
バンキシャ!
「遠くに見えている土地が北朝鮮です」
取材をしていると…
バンキシャ!
「何か聞こえてきますね」
♪あぁ、あなたはいつも涙を隠しているのだろうか――
聞こえてきたのは韓国の歌謡曲。韓国が北朝鮮に向けて行っている、いわゆる「宣伝放送」だ。
一方、市民は、北朝鮮側からこんな音を聞いていた。
坡州市民
「オオカミの鳴き声のような、お化けのような音がうるさくなっているので不快です」
その不快な音を2日前の10日、スマホで撮影したという人に出会った。北朝鮮の目と鼻の先にある統一村の村長、李 腕培(イ・ワンベ)さん。音を聞かせてもらうと…
不快なノイズ音が大音量で流れているのがわかる。ほぼ毎日、20時間鳴り響くという。
統一村の村長 李 腕培さん
「北朝鮮はお化けのような放送を流しています。住民たちは苦しんでいます。ノイローゼになっている」
長く続く、南北の対抗措置の応酬。さらに今、北朝鮮側に新たな動きが出ているという。
統一村の村長 李 腕培さん
「状況が悪化すると韓国軍から真っ先に私に連絡が入るんです。昨日(9日)も連絡がありました。『北朝鮮の軍人たちが、韓国とつながっている道を切断しようとして境界線近くまでやってきた」という連絡だったんです」
***
9日、水曜日。北朝鮮は、韓国を「不変の敵」と位置づけ、南北をつなぐ道路と鉄道を完全に遮断。要塞化するための工事を行うと発表した。(朝鮮中央通信より)
これは2024年6月に北朝鮮内をとらえた写真。ロイター通信によると壁を建設している様子だという。要塞化は進んでいるのだろうか?
バンキシャ!が目にしたのは・・・
バンキシャ!
「白いポールがいっぱい見えます」
10日、北朝鮮で行われた朝鮮労働党の創建79年祝賀式典。そこには金正恩総書記とジュエ氏とみられる娘の姿が。
アナウンサー(朝鮮中央テレビ)
「敬愛する金正恩同志は行事に満足を表して、出演者と観覧者たちに温かい答礼を送りました」
宴会では満面の笑みを浮かべていた金総書記。この3日前には…
金総書記(8日付/労働新聞より)
「朝鮮半島の力のバランスが崩れる危険性があり、均衡が破壊されることはすなわち戦争を意味する。軍事超強国、核強国へ向かう我々の歩みはさらに加速する」
などと発言したという。核戦力をちらつかせ、緊張感が高まる。
9日には、韓国を敵とし要塞化を発表した北朝鮮。いま、何が起きているのか?
***
バンキシャ!は、北朝鮮をのぞむ軍事境界線付近の展望台へ。2キロ先が北朝鮮。
バンキシャ!
「田んぼの中に人影が見えます」
農作業をしているのだろうか。しかし、その近くを見てみると、韓国側に向けられた巨大なスピーカーのようなものがあった。
バンキシャ!
「音がすごいですね。なんか飛行機がずっと飛んでいるみたいな」
騒音はおよそ1時間、一帯に響きわたっていた。
さらに、バンキシャ!が見つけたのは…
バンキシャ!
「白いポールがいっぱい見えます。何のためのポールなんだろう」
別の場所でも…
バンキシャ!
「目の前の丘にポールがたくさん立っているのが見えます」
韓国メディアによると、8月には確認されていなかった場所にも白いポールが立っていたという。これはいったい…?
軍事境界線付近の分析を行う、韓国の研究機関に映像を見てもらった。
韓半島安保戦略研究院 映像分析センター長 鄭 聖鶴(チョン・ソンハク)さん
「鉄条網を設置するのだと思います」
鉄条網を張り巡らせるためのポールだという。
さらに…見せてくれたのは、9月3日と10月9日の衛星画像。9日は先月に比べ、茶色の道が延びているように見える。
韓半島安保戦略研究院 鄭 聖鶴さん
「最近の画像を見ると1.5キロメートルほど工事をしています。ここにも鉄条網ができると思います」
今後、鉄条網をより広範囲に延ばしていくと分析。その理由は?
鄭 聖鶴さん
「脱北を防止するというのが大きな目的だと思います」
11日、北朝鮮は「韓国が平壌に無人機を侵入させビラを飛ばした」と主張。そのビラには韓国と北朝鮮の所得格差について書かれていた。(朝鮮中央通信HPより)
韓国政府は「事実の有無を確認できない」としているが…
金総書記の妹・与正(ヨジョン)氏は「韓国軍が直接実行したか、積極的な黙認のもと主権侵害の挑発が行われた」と強調した。
専門家は…
慶応義塾大学 礒﨑 敦仁教授
「(北朝鮮は)韓国に対しては、外国なんだから干渉するなと。北朝鮮の自国民に対しては、韓国は外国なんだから文化に接しても仕方がないわけだし、憧れをもっても仕方がない、敵対国なんだからそんなものに触れるなということですよね」
礒﨑 敦仁教授
「自分たちの体制を守ることの方が重要であって、そのためには要塞化をする壁をつくるという動きです」
*10月13日放送「真相報道バンキシャ!」より
最終更新日:2024年10月14日 9:36